浮気された地味令嬢が美しい女性に成長!? 素敵な淑女になるためのスパルタレッスン【書評】

AI要約

浮気された地味令嬢がスパルタ美容アドバイザーのもとで美しさと自信を取り戻すストーリー。

初恋の相手に浮気され続けてきた主人公が自尊心を取り戻し、王宮での新たな人生を歩み始める。

美容アドバイザーの厳しいレッスンを受けながら自信をつけ、新たな恋の予感も漂う展開。

浮気された地味令嬢が美しい女性に成長!? 素敵な淑女になるためのスパルタレッスン【書評】

『浮気された地味令嬢が王宮付き美容アドバイザーと秘密のレッスン!~浮気男は捨てて氷の公爵令息様を虜にしてみせます~』(どーるる:漫画、三沢ケイ:原作、氷堂れん:キャラクター原案/主婦と生活社)は、自分に自信がない女性へ特におすすめしたい作品だ。本作では、浮気された地味令嬢がスパルタ美容アドバイザーのもとで努力を重ね、美しさと自信を持てるようになっていく。

 主人公のジャネット・ピカデリーは、初恋の相手であるダグラス・ウェスタンと婚約している年頃の少女。恋を叶えて幸せの絶頂…ではなく、ダグラスに浮気され続けていることで、自尊心をズタズタにされてきた。ジャネットと舞踏会に参加しているにもかかわらず、ダグラスは毎回他の令嬢を抱き寄せて女遊びを楽しんでいたのだ。

 どうしてこんな行為が許されるのか。ジャネットの気持ちを想像して胸が痛くなる。みじめな令嬢だと思われないよう浮気を我慢し続けてきたが、ダグラスの浮気相手にすらバカにされ、その心はついに限界を迎えてしまう。浮気現場から思わず逃げ出し、駆けこんだ部屋で泣いていたジャネット。そんな彼女のもとに現れたのは、王宮付き美容アドバイザーのアマンディーヌだった。

 浮気で傷つき「何をしても自分は魅力的ではない」と卑屈になっているジャネットに対し、アマンディーヌは「何をやってもどうしようもない女なんてこの世に存在しない!」と言い放つ。この言葉だけで救われる女性もいるだろう。メイクやおしゃれに対して「自分なんか…」と一度でも感じたことのある、すべての女性に届けたいセリフだ。

 そんな出会いを経て、ジャネットはシルティ王女の侍女として王宮に召し上げられることに。そして、アマンディーヌによる、「素敵な淑女になるためのスパルタレッスン」を受けることになり――。

 アマンディーヌのレッスンを受けるジャネットは、話数を重ねる度に少しずつ自信を取り戻していく。冒頭ではあれほど卑屈だったのに、レッスンを繰り返すうちに自分を「かわいい」と思えるようになっていく姿は見ていて楽しい。失った分の自信をすべて取り戻し、さらに努力を積み上げた先で、美しいレディとしてダグラスを見返す日が心から待ち遠しくなってくる。

 さらに、どうやらダグラスとは別の恋の予感も近づいているようで――綺麗になり続けるジャネットから、ますます目が離せない。

文=ネゴト / 押入れの人