2か月で1年分売れた!味の素「極麻辣麻婆豆腐用」が好調な3つの理由…フツーの『Cook Do』と何が違う?

AI要約

味の素の『Cook Do』は長年親しまれてきた本格中華調味料だが、最近は高級四川料理の味わいを楽しめるプレミアム麻婆豆腐の素が注目を集めている。

2023年8月に発売された『極麻辣麻婆豆腐用』は、四川料理の特徴を追求し、花椒と唐辛子の辛さを絶妙なバランスで配合した料理素材で売上目標を達成した。

市場の変化やプレミアムな味わいへの需要を受け、家族向けから個々の好みに合わせた調味料開発に注力しており、『極麻辣麻婆豆腐用』はその一環として生まれた。

2か月で1年分売れた!味の素「極麻辣麻婆豆腐用」が好調な3つの理由…フツーの『Cook Do』と何が違う?

■連載/ヒット商品開発秘話

 味の素の『Cook Do』といえば1978年の発売以来、本格中華が簡単につくれる合わせ調味料として広く親しまれてきた。家族のみんなが食べられる本格中華にこだわってきたが、いま大人を満足させる高級四川料理の味わいが簡単に楽しめるプレミアム麻婆豆腐の素が売れている。

 2023年8月に発売された『極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用』(以下、極麻辣麻婆豆腐用)のことである。発売から最初の1年間の売上目標である6億円(消費者購入ベース)を達成した。

『極麻辣麻婆豆腐用』は『Cook Do』が長年培ってきた原料・製法の知見・技術を結集して開発。四川料理の特徴である花椒(ホアジャオ)由来のしびれる辛さの麻(マー)と唐辛子由来のヒリヒリする辛さの辣(ラー)を極め、中華調味料や香辛料などにとことんこだわり絶妙なバランスで配合した。

 同社によれば麻婆豆腐用合わせ調味料の市場規模は約150億円。これまでは大人から子どもまで家族が同じ味わいを楽しめるものが主流だったが、近年は若い夫婦や子育てが終わったプレシニア世代の夫婦といった自分たちの好みの味を追求できる世代に向けた高価格で尖った味わいのものが受け入れられつつあった。

 市場のこうした変化に同社は注目。食品事本部コンシューマーフーズ事業部メニュー食品グループの浅生博信氏は「『Cook Do』はこれまで家族のみんなにウケる万人向けの味をつくってきたのですが、市場の変化に対応して一度“麻婆豆腐好きにとっての本格的なおいしさ”だけを考えて麻婆豆腐の素をつくってみることにしました」と話す。

 企画されたのはコロナ禍の2022年。家で過ごす時間が長くなり普段なかなか味わうことがないプレミアムな味わいにお金を使う傾向が見られた時だった。

 麻婆豆腐は中華料理の中でも四川料理の代表ともいえるものなので、『極麻辣麻婆豆腐用』の開発に当たっては四川料理ならではの味わいを極めることにした。