スーパーで「お米5キロ」が3500円もしてビックリ! これからもずっと“高いまま”ですか? 10キロでこの値段なら分かるのですが、いつ落ち着くのでしょうか…?

AI要約

2024年夏のお米価格の高騰要因について検証しました。収穫量の減少とインバウンド消費の増加が指摘されていますが、決定的な原因ではないことが分かりました。

2023年の夏に発生した猛暑が稲の生育に悪影響を及ぼし、収穫量が減少しました。

インバウンド消費が増加しているものの、実際の米の需要を計算して供給量には不足がないことが示されました。

スーパーで「お米5キロ」が3500円もしてビックリ! これからもずっと“高いまま”ですか? 10キロでこの値段なら分かるのですが、いつ落ち着くのでしょうか…?

「5キロのお米が3500円!?」スーパーのお米売り場で思わず声を上げてしまいました。これは2023年8月の平均価格(約2200円)と比較して約1.6倍の価格です。

お米は日本の主食であり、価格高騰は私たちの食生活や家計に直接影響します。では、なぜお米の価格がここまで上昇しているのでしょうか。要因として挙げられているのは、2023年のお米の収穫量の減少と、インバウンド消費の増加です。しかし、結論からいうとこの2つは、決定的な原因とはいえません。

本記事では、お米価格高騰の背景を検証し、お米価格が落ち着く時期について詳しく解説します。

2024年夏のお米価格の高騰は、主に2023年度の収穫量の減少とインバウンドの増加の2つの原因が指摘されています。この2つの原因について検証していきましょう。

1つ目は、2023年の夏に日本各地で発生した猛暑による影響です。記録的な高温と、地域によっては多雨または少雨の極端な気象条件が、稲の生育に悪影響を及ぼしたとされています。

農林水産省の調査によると、2023年産の水稲の収穫量(主食用)は661万トンで、2022年産に比べ9万1000トン減少しています。

続いて、2つ目の要因とされているインバウンドの影響について検証します。

日本政府観光局の発表によると、2024年1月~7月までの訪日外客数の累計は約2100万人です。この人数が米の消費にどれくらい影響を与えているのかを計算してみます。

観光庁のデータによると、訪日外国人の平均滞在日数は約10日です。1人あたり1日300グラムのご飯を消費した場合、米の重さは120グラムです。

2100万人×120グラム×10日=2万5200トン

2万5200トンは、日本の米の年間消費量約700万トンの約0.36%にあたります。

農林水産省の発表によると、2023年と2024年の米の需要実績は702万トンであり、2023年の収穫量661万トンより41万トン足りていないことが分かります。しかし、国は供給が不足する事態に備えて米を保存しており、2024年6月時点での備蓄量は91万トンあります。

以上をふまえると供給量に不足はなく、指摘されている2つの要因は、決定的な原因になりません。