携帯電話やクレジットカード、スポーツクラブ…葬儀後にやらないといけない「意外なコト」【プロが解説】

AI要約

相続手続きは葬儀が終わった後に始まり、多くの手続きが必要であることを認識する必要がある。

相続手続きには、死亡届の提出から始め、遺産の整理、相続人の確認、税金の申告などが含まれる。

相続手続きは期限があるため、早めに準備し、円滑に進めるよう配慮することが重要である。

携帯電話やクレジットカード、スポーツクラブ…葬儀後にやらないといけない「意外なコト」【プロが解説】

もしも相続が起こったら、この場合はどうしたらいいのだろう?

実際のところ、相続のときに初めて気づく問題や疑問はいろいろあります。家族の状況や遺産の状態によって、思わぬトラブルになることも。最近の相続で、よく起こりがちな疑問や心配事に対し、『知って安心!不動産の相続 2024年版』を監修したランドマーク税理士法人の押山満税理士が対処法を指南する。

Q.葬儀が終わった後、相続に向けて何をしたらいいのでしょうか

A. 役所への死亡届の提出から始まって、相続税の申告など多岐にわたります

誰かが亡くなったとき、家族・親族は葬儀社や葬祭会場の手配、参列者への連絡などを短期間にしなければならず、かなり忙しい思いをするので、葬儀が終わるとほっと一息つくことになるでしょう。しかし、相続ではすべきことがたくさんあります(図表1)。

その中には期限が決まっているものもあるので、それらを円滑に段取りよく行うには、どんな手続きがいつまでに必要かをあらかじめ知っておくことが大切です。

亡くなって7日以内には、亡くなった人(被相続人)の住所地を管轄する市町村役場の戸籍担当課に死亡届を提出し「火葬・埋葬許可書」を受け取ります。

亡くなってから5日以内には健康保険の資格喪失届、被相続人が65歳以上だった場合は14日以内に介護保険の資格喪失届を提出します。公的年金の受給停止手続きも必要ですが、被相続人のマイナンバーが日本年金機構に収録されていれば省略できます。

被相続人が亡くなる前に入院していたら病院で医療費を精算し、生命保険に加入していたら保険会社に連絡して保険金や給付金の請求書類を送ってもらいます。

被相続人が契約していた携帯電話やクレジットカード、スポーツクラブ、健康食品などの定期購入、動画配信などのサブスクリプションは早めに解約しないと、料金を払い続けることになります。

亡くなった人の財産を引き継ぐのが「相続」です。相続できる人は法律で決まっていて、それを「法定相続人」(以下、相続人)といいます。

被相続人の配偶者は常に相続人となり、被相続人に子がいれば子、子がいなければ父母、父母もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。被相続人に家族が知らない子がいる可能性もあるので、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取り寄せて確認する必要があります。

被相続人の遺産を相続人が相続する際、被相続人が法的に有効な遺言書を残していればそれに従って遺産を分割するので、遺言書の有無を確認します。遺言書がなければ被相続人の財産をすべて洗い出し、不動産などについてはその価額を計算して、相続人全員で「遺産分割協議」を行って遺産の分け方を決め、その結果を記載した「遺産分割協議書」を作成します。

借金などのマイナスの財産も相続人が引き継ぐことになります。その額が大きくて引き継ぎたくないのであれば、「相続放棄」や「限定承認」も選択肢となります。

「相続放棄」や「限定承認」をする場合は、相続発生から3ヵ月以内に家庭裁判所で手続きをします。「準確定申告」は被相続人の亡くなった日までの所得税を精算するためのもので、相続発生から4ヵ月以内に被相続人の住所地を管轄する税務署で申告します。

【つづきを読む】『親の財産が「ほぼ自宅だけ」だと、意外とモメがち…子どもたちで「実家」をどう分ければいいのか』