いざというときの「遺言」…保管制度や形式で相続手続きが全然違っていた!【プロが解説】

AI要約

相続時に遺言書がない場合の手続きについて詳細に説明されています。

遺言書の種類や手続き方法について解説されています。

遺言書が公正証書遺言か自筆証書遺言かによって、手続き方法が異なることが分かりやすく示されています。

いざというときの「遺言」…保管制度や形式で相続手続きが全然違っていた!【プロが解説】

もしも相続が起こったら、この場合はどうしたらいいのだろう?

実際のところ、相続のときに初めて気づく問題や疑問はいろいろあります。家族の状況や遺産の状態によって、思わぬトラブルになることも。最近の相続で、よく起こりがちな疑問や心配事に対し、『知って安心!不動産の相続 2024年版』を監修したランドマーク税理士法人の押山満税理士が対処法を指南する。

Q. 手元に遺言書がない場合、どのように手続きを進めればいいですか

A. 公証役場で公正証書遺言があるかどうかを確認する。もしくは、法務局の保管制度が活用されているかを確認する。

相続が起こったら、相続人は被相続人が残した遺言書があるかどうかを確認します。被相続人の財産を相続人で分けるに当たって、遺言書があればそれに従って遺産を分割します。

また、この遺言書は相続人が引き継いだ遺産の名義変更や払い出しをするときに金融機関や法務局に提出します。そのため、遺言書は法的に有効なものでなければなりません。

遺言書には、おもに公正証書遺言と自筆証書遺言の2つがあります。

公正証書遺言があるかどうかは、全国どこの公証役場でも調べることができます。公正証書遺言は法的に有効な文書なので、その内容を相続人が承認すれば、そのまま遺産の分割に使うことができます。公正証書遺言に遺言執行者が指定されていれば、その人が手続きを行って遺産を相続人に分配します。

本人が自筆で書く自筆証書遺言は、法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用するか、自宅などで保管することになります。保管制度を利用していれば、形式的な不備で遺言書が無効になることがなく、遺言書の紛失、改ざん、隠蔽の心配もありません。

自筆証書遺言が法務局に保管されているかどうかは、全国どこの法務局でも調べることができ、相続人は法務局で遺言書を閲覧したり、「遺言書情報証明書」の交付を受けることができます。相続人の1人が遺言書の閲覧の申請や遺言書情報証明書の交付申し込みをすると、そのことがほかの相続人にも通知されます。

保管制度を利用した場合、自筆証書遺言に記載された内容を相続人が承認すれば、それに従って遺産の分割をすることができ、「遺言書情報証明書」は相続の手続きに使えます。