相続税はお金持ちしか関係ないのでは いや、そうでもありません 100歳時代の歩き方 イマサラQ&A
相続税は、資産家だけでなく一般家庭にも関係する可能性があることに注意が必要です。
相続税の課税対象や基礎控除額、法定相続人などの基本的な情報を理解することが重要です。
自発的に相続税の調査や申告を行う必要があり、税務署からの通知には注意が必要です。
相続税は資産家の話、うちには関係ない-。そう考えがちだが、課税対象になる家は意外に少なくない。あまり知らない相続税について、専門家に聞いた。
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Q 実家は小さな住宅だし、親の預貯金も少なそう。うちに相続税なんて関係ないのでは…
A 相続税の課税対象は全国で約1割ですが、東京都区内では約2割。土地の高騰で、今後も割合は増えそうです。決して人ごとではありません
Q 遺産がどのくらいあると課税されますか
A 預貯金や不動産といった財産から債務などを引いた額が基礎控除額(3千万円+600万円×法定相続人の数)を超えている場合です。法定相続人が2人なら4200万円を超えると課税対象です
Q 法定相続人とは
A 遺産を受け取る法的権利を持っている人です。配偶者は必ず、あとは子供、子供がいなければ孫、子供も孫もいなければ両親…と順位と範囲が決められています
Q 土地の値上がりによっては対象になるかも…
A 以前の基礎控除額(5千万円+1千万円×法定相続人の数)が税制改正で平成27年に下がり、課税対象が一気に増えました
Q うちが課税対象かどうか、税務署から連絡が来るのですか
A 基本的に自分で調べて判断し、申告します。税務署が判断して天引きしてくれるわけではありません。税務署から何らかの通知がくることはあります
Q 何の通知ですか
A 自治体に死亡届を出すと、自治体は不動産の所有状況などを税務署に知らせます。税務署も情報を持っていますので、相続税の課税対象になる可能性がある人にはお知らせを、可能性が高い人には申告の案内を送ることが多いです
Q 財産がどのくらいあるか調べたり、実際に申告したりは自分でやるしかないのですか
A 相続税は自発的にやるものです。「知らなかった」では済みません
(回答者 税理士 福田真弓)