「群馬県みなかみ町」と「JTB」が取り組む『Go!ME』地域応援という有料ゴミ箱が観光地の持続可能な環境保全に向けた新たな可能性

AI要約

群馬県のみなかみ町は、豊富な自然を活かした様々なアクティビティが楽しめる観光地であり、JTBが取り組む"Go!ME"プロジェクトでは観光客が地域でゴミを処理する仕組みが導入されている。

JTBは"交流創造事業"として地域と人をつなぎ、持続可能な観光まちづくりに貢献しており、"Go!ME"プロジェクトはその一環として展開されている。

実証実験では観光地ごとに決済率や意識の変化が見られ、特に自然を楽しむアウトドアユーザーは環境問題に対する意識が高い傾向があることが示唆されている。

「群馬県みなかみ町」と「JTB」が取り組む『Go!ME』地域応援という有料ゴミ箱が観光地の持続可能な環境保全に向けた新たな可能性

 群馬県のみなかみ町。谷川岳に代表される登山や、夏はキャンプ、ラフティング。冬はスキーやスノーボードなど、雄大な山、豊富な水といった自然の恩恵を活かした様々なアクティビティが盛んだ。もちろん温泉地としてもシーズンを問わず、多くの人が訪れる山岳、温泉観光地である。

 そのみなかみ町において、JTB群馬支店がみなかみ町観光協会や地域の観光事業者の協力の下、取り組みをスタートさせたのが「Go!ME(ゴーミー)」プロジェクト。観光で訪れた人が、その地域で「お金を払ってゴミを処理してもらう」というもの。まず、スタートとして町内10か所に設置されたゴミ箱では、応援金という名のもと、有料で地域、事業者にゴミの処理をお願いするという仕組みである。

 その場所に訪れる利用者も共にゴミの処理を負担していくことで、持続可能な地域共創を図る目的としたこのプロジェクトは、現在多くの観光地で抱えるゴミの問題を解決していく方法のひとつとなるのか。JTBがみなかみ町と共に掲げる山岳、温泉観光地のこれからについて訊いてみた。

 現在、社として、その事業を“交流創造事業”と掲げるJTB。観光で訪れた地で、人と人、人と地域をつなぎ、その価値や共感といったところを創造し、未来につなげていく。といったようなこの交流創造事業として「Go!ME」プロジェクトがスタート。

 ゴミは持ち帰るという選択肢に加えて、その地域で適切に処理してもらうという持続性を持たせた形で、これまで京都や川越、2022年には谷川岳への玄関口「谷川岳ロープウェイ」でも実証実験を行った。

 JTBの担当者からは、これまでの実証実験において、京都のような都市部では、訪れる人の数に対して、決済率の低さが見られたという。そもそも、観光でその地を訪れた人々が、ゴミを捨てるのにお金を支払うという考えがないのではないか。これからはもっと目立つメッセージ、そして旅の前からそのメッセージを伝えていく必要性がある。しかし、アンケートからは否定的な意見は少なく、利用者の意識の変革について、その兆しは感じられたという。

 2022年に実施した谷川岳ロープウェイでの実施実験では、都市部よりも決済率の高さが顕著であったという。やはり、登山など自然の中で遊ぶアウトドアユーザーの方が、ゴミや環境に対する問題意識の高さが見られた結果であろう。そして、このことが今回のみなかみ町で取り組むきっかけとなった。