海を臨む山歩きと、海の恵みを満喫(鳥海山/山形県・秋田県)|涼しさを感じるおすすめの山 #3

AI要約

鳥海山は、日本海に面した東北第二の高さの独立峰で活火山。山頂には荒々しい景色と美しいお花畑が広がる。

山を下りた後は象潟の海で泳いだり、新鮮な岩ガキを食べたりして山と海を満喫できる。

おすすめの登山ルートやアクセス方法も紹介。涼を求める人におすすめの山。

海を臨む山歩きと、海の恵みを満喫(鳥海山/山形県・秋田県)|涼しさを感じるおすすめの山 #3

残暑の厳しさが増している昨今。少しでも涼しい場所を求めて、山の上や山のなかを目指す人も多いはずです。ここでは、そんな8月、9月の暑さを忘れることのできる山を、Mt。ランドネのメンバーがおすすめ。選ぶ山やルートによって、驚くほどの涼しさを感じることができます! 

鳥海山は、標高2、000mを超える東北第二の高さの独立峰でありながら、日本海に面しているという、日本でもとても珍しい立地の山です。

9つある登山口のなかでもっともポピュラーなのは、公共交通機関でのアクセスが良い象潟口。鳥海湖付近までは、夏は色とりどりのお花を見ながらのんびり楽しめる道です。千蛇谷から先は、谷底に残る雪渓を起点に、心臓破りの坂になります。

山頂直下の御室小屋に着くころには、黒く大きな岩がゴロゴロとした火山の様相に変わっていきます。鳥海山は、何度も噴火をくり返してきた活火山なのです。お花畑と対極にある荒々しい景色。朝日に染まる山頂で、足元に潜む力の大きさに畏敬の念が湧いてきます。

鳥海山の魅力は登るだけではありません。下山後は山から見た象潟の海でもう1泊。目的は日本の渚百選にも選ばれた海水浴場で泳ぐことと、旬の岩ガキを食べること。

海からの水蒸気を含んだ空気は鳥海山にぶつかって雨や雪になり、ゆっくりと時間をかけて、象潟沖にミネラル豊富な冷たい伏流水となり湧き出ています。その海水で育つから、牡蠣は身が引き締まり旨味たっぷり! 山を見ながら泳ぎ、新鮮な岩ガキを頬張る。

水の循環の一部を自分の中に取り込んだようで、お腹から力が全身に満ちていきます。山と海を味わい尽くす旅、これにて完結! 

 

おすすめルート:歩行時間約9時間

1日目/鉾立~賽の河原~御浜神社(御浜小屋)~扇子森~七五三掛~千蛇谷~御室小屋(泊)

2日目/御室小屋~大物忌神社~鳥海山(新山)~七高山~大物忌神社~御室小屋~千蛇谷~鉾立。

アクセス:電車の場合、象潟駅前から予約制乗合登山バス・鳥海ブルーライナーで鉾立登山口まで約35分(6月~10月2週目まで・土日祝日のみ運行)。車の場合、酒田みなとICから国道7号、鳥海ブルーライン、県道210号を経由して鉾立登山口まで約40分。駐車場300台(レストハウス、ビジターセンターあり)。

写真&テキスト◎吉崎裕子(Mt。ランドネ)