人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?

AI要約

クマの人里への出没が相次ぎ、自治体が駆除奨励金を支給しているが、報酬額の低さから問題も発生している。

環境省がクマを「指定管理鳥獣」に指定し、地方自治体への支援を強化する方針で進められている。

クマを駆除するためには狩猟免許や許可が必要であり、条件や手続きが厳格に定められている。

人里に現れたクマを退治したニュースを見ましたが、退治した人にはどれくらいの報酬が払われるのでしょうか?

近年、人里へのクマの出没が相次いでいます。人里に現れたクマを退治することは非常に危険な任務です。

そのため、自治体では報酬を準備していますが、一体どの程度の報酬が支払われるのか気になるところです。そこで今回は、クマの人身被害件数や駆除奨励金などについてみていきます。

農産物への鳥獣被害を減らすため、多くの市町村では「駆除奨励金」を交付しています。また、ヒグマによる人身被害の増加に伴い、環境省は2024年4月16日に省令を改正し、ヒグマを含むクマ類を「指定管理鳥獣」に指定しました。

これにより、地方自治体による駆除対策が国の支援を受けやすくなり、今後の対策の進展が期待されています。

従来、国はシカやイノシシの駆除に対して財政支援を行ってきましたが、クマ類については駆除だけでなく、生活圏への出没を防ぐ対策や訓練への支援も検討しており、2024年秋までに自治体への支援開始を目指しています。

近年のクマ類による人身被害は表1の通りです。

※環境省「クマ類による人身被害について」を基に筆者作成

データは7月時点での速報値であるため、令和6年度の被害件数は他年度と比べて少なくなっています。

北海道空知郡奈井江町の猟友会が、クマが出没した際の出動を辞退するという問題が発生しました。その理由の一つに、危険で重労働にもかかわらず、クマが出没した際に出動したハンターに町から支払われる報酬額が低かったことが挙げられています。

では、クマ1頭を駆除した場合の駆除奨励金はいくらぐらいなのでしょうか。北海道の主な地域の駆除奨励金は表2の通りです。

※各自治体のクマ駆除奨励金交付規則などを基に筆者作成

この結果から、地域によって駆除奨励金の額が大きく異なることが分かります。

クマを駆除するためには、特定の資格と許可が必要です。以下の条件を満たす人がクマを駆除することができます。これらの資格や許可を取得するためには、各都道府県の担当部署に問い合わせて確認する必要があります。

■狩猟免許

クマを駆除するためにはまず「狩猟免許」が必要です。狩猟免許は以下の4種類があります。

・網猟免許

・わな猟免許

・第一種銃猟免許

・第二種銃猟免許

クマを駆除する場合、通常は「第一種銃猟免許」または「わな猟免許」が必要となります。

■許可申請

狩猟免許を取得しただけでは、まだクマの駆除はできません。害獣駆除を行うためには、狩猟を実際に行う都道府県に「狩猟者登録」をした後、環境大臣もしくは都道府県知事に「害獣駆除の申請」を行って許可をもらう必要があります。

■年齢制限

狩猟免許を取得するためには、網猟免許とわな猟免許は18歳以上、第一種銃猟免許と第二種銃猟免許は20歳以上である必要があります。

■試験

狩猟免許を取得するためには、知識試験、適性試験、技能試験の3つの試験に合格する必要があります。

■夜間銃猟安全管理講習

特に夜間に銃猟を行う場合は、「夜間銃猟安全管理講習」を修了することが義務付けられています。