千葉・南房総市の宿泊税検討委 県の「上乗せ方式」に反対意見相次ぐ

AI要約

宿泊税導入に関する千葉県南房総市の有識者検討委員会の議論が行われた。

委員会では、県の一律150円の宿泊税に対する懸念や代替案について検討が行われた。

市側からは宿泊税の財源と使途について提案が示されたが、意見が分かれた。

宿泊税の上乗せ方式や市独自の導入に対する議論が進められ、意見交換も行われた。

南房総市では、地域全体で連携し必要な宿泊税の使い道を検討したいとの考えが示された。

千葉県知事は、宿泊税の徴収方式について他県との比較や観光事業のプラス面を検討中であることを強調した。

千葉・南房総市の宿泊税検討委 県の「上乗せ方式」に反対意見相次ぐ

宿泊税導入を議論する千葉県南房総市の有識者検討委員会は26日、同市内で第2回会合を開いた。県内市町村が独自に導入する場合は「県の1人1泊一律150円の宿泊税に上乗せをする」という県の制度設計案に対し、他の自治体との競争力低下への懸念などを念頭に反対意見が相次いだ。代替案として一律150円のうち県税50円、市税100円の分割で県との調整を求める声も上がった。

会合では、市側から宿泊税の使途や税額について素案が示された。観光の街づくり推進や地域資源を活用した誘客策のほか、拠点整備などに充てる年5千万円を確保するには、宿泊料金に関係なく1人1泊一律100円の税額が必要だとする内容で、目立った異論はなかった。

一方で、委員からは県の一律150円に市が独自に宿泊税を上乗せすれば、宿泊客の負担も増えることから「避けたい」「絶対反対」といった慎重な意見が続出した。市が独自の宿泊税導入を見送った場合、県の宿泊税収から県内市町村に分配される〝取り分〟のうち、南房総市は1千万円程度にとどまる見込みだとして「これでは市がやりたいことは何もできない」との指摘もあった。

清宮信英副委員長(南房総市観光協会会長)は「安房地域全体で連携し、地域に必要な宿泊税の使い道などを県に訴えたい」と述べた。

これに関連し、熊谷俊人知事は26日、県庁で南房総市を含む安房地域の首長と意見を交わした。熊谷知事は意見交換後、宿泊税の上乗せ方式について「千葉県が徴収すれば、他県よりも高くなる。でも、それが宿泊観光事業にとってプラスになるという説明をできるから(県は)検討を進めている」と記者団に語った。(岡田浩明)