「男のくせに」が口癖の38歳経営者妻が「主夫の夫」の浮気を知って取った驚きの行動

「夫婦間で男女差別が起こり、それが原因になる浮気は多いです。また、簡単に離婚する事例も増えています。なかには妻からの”男性差別”もあります」と言うのは、キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんだ。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。

今回山村さんのところに相談に来た38歳の陽子さんは、広告関連の制作会社の勤務を経て、自ら起業した敏腕経営者だ。夫の浮気のことで相談に来たが、「男のくせに」という言葉が口癖になっていた。夫はかつて大手広告代理店の正社員だったが、会社で数少ない育児休暇を取得。それからは基本的に「主夫」として家事育児を夫がしてきた。陽子さんは「夫が仕事をしないから」起業したというが、陽子さんは、ビジネスのセンスがあるのだろう。

夫が家事育児をし、妻がバリバリ働く素敵なバランスのように見えるのだが、陽子さんは「男のくせに仕事をしない」上に浮気をしているはずだと激高していた。後編では陽子さんが夫とどのように出会ったのか、どうして調査をしようと思ったのかを振り返りながら、その結果をお伝えする。

広告関連の制作会社に勤務していた陽子さんと、大手広告代理店の正社員だった夫は、受発注者の関係で出会い、結婚します。

陽子さんは、優しくカッコよく、一緒にいるとホッとする夫のことが好きでしたが、大手企業に勤務しているところも魅力に感じていました。結婚2年目に娘が産まれ、夫が4日間の育休を取得してから風向きが変わりました。

当時、男性の育休は珍しく、夫は会社で変人扱いをされたようです。夫も育児をしつつ家庭を守ることに喜びを覚えます。陽子さんは好きな仕事に全集中。最年少で課長に昇進し、高額な給料を得るようになります。

それに安心したのか、夫は会社を辞めてしまいます。その後、片手間で仕事をしていましたが、陽子さんの中では「なぜ辞めたのか」という不満が渦巻いていたのです。陽子さんには「バリバリ仕事をしつつ、家事と育児も行う男が理想の夫」という本音があるようでした。

夫は専業主夫になりましたが、陽子さん曰く「家事のツメも甘い」とか。味噌汁に顆粒だしを使ったり、白いシャツの黄ばみを取るための洗剤を塗布しないことなど、完璧主義な陽子さんにとって、日常生活に多くの不満がありました。「私のやり方で、やってほしい」と言っても夫は言う通りにしなかったそうです。

娘が小学校に入った年、夫は「組織で働かない」と宣言。娘の教育費が心配になった陽子さんは2年前に起業します。会社は堅調に成長し、社員2人と共に仕事を回しているそうです。娘の手がある程度離れたこともあるのか、夫は1年前から月に1回、3日間、実家の事業を手伝う名目で、外泊するようになりました。

ところが先日、夫が実家に行っている間、娘が体調を崩します。夫が娘の保険証を持っているので、連絡をしたところ電話に出ない。実家に電話すると義母は「来ていない」と言う。帰宅した夫に行き先を聞くと、「兄さんの家に行っていた」と言ったそう。そこに浮気を確信した陽子さんは、離婚をするための証拠をとるために、山村さんに調査を依頼したのです。