【40代、50代・薬と上手に付き合う方法③】花粉症は市販薬と処方薬どっちが得?(薬の豆知識)

AI要約

薬には市販薬と処方薬の2種類があり、効果や価格に違いがある。

市販薬は手軽に購入できるが、処方薬は医師の処方が必要で保険が適用される。

価格面では、処方薬は保険適用分を除いても医療費がかかるため、市販薬と比較して大きな差がない場合もある。

【40代、50代・薬と上手に付き合う方法③】花粉症は市販薬と処方薬どっちが得?(薬の豆知識)

薬には市販薬や処方薬があり、形態もさまざま。あなたは薬についてどこまで知っているだろうか? 薬さえ飲めば病気が治ると思っていない? 知らないとかえって健康を害することもある薬の基礎知識について、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺った。

あなたは薬をどこで買っているだろうか? ドラッグストア? 調剤薬局?

「薬には大きく分けて市販薬と処方薬の2種類があります。その違いは、市販薬は自分の意思で買えます。別名OTC(Over The Counter)で、その意味は薬局のカウンター越しに薬剤師や登録販売者などと話をして買えるという意味です。

一方、処方薬は自分の意思では買えない、医師の処方が必要な薬です。

一般的には処方薬は市販薬より効き目が強い成分が使われていたり、同じ成分でも含有量が多いのが特徴です。確実に効果が出るように、医師の診断のもと、その人の症状に最適な薬と量、組み合わせが処方されます。

市販薬は効果も副作用も少なめですが、医療機関を受診しなくても、手軽に買うことができることが大きなメリット。一方で保険がきかないのがデメリットです。

効き目は処方薬のほうが強いと言いましたが、花粉症の薬のアレグラFXやアレジオン20などは市販薬も処方薬も同じ成分が同量配合されているので、同じ効き目ということになります」(鈴木さん)

では、どちらが得なのだろうか?

「価格面を比較すると、処方薬は保険がきくので1~3割負担ですが、ほかに医療機関に払う受診料や調剤料がかかります。一方で市販薬は全額負担ですが、薬代だけですみます。

この花粉症の薬の価格問題は、健康保険組合連合会(健保連)が2019年に発表した結果では、患者の負担額は両者大差がないようです。ただし、これに点眼薬や点鼻薬などが必要となると、受診料・調剤料は変わらないので処方薬のほうがお得になる可能性はあるかもしれません」

負担額に大差がないとなると、パッと行って買える市販薬に対して、医療機関を受診する時間と手間をどう考えるかが問題になりそう。今後、オンライン診療がもっと一般的になれば、その点も解決するのかもしれない。自分のそのときの症状や生活スタイルを考えて選択するのがいいだろう。