低学年から通うメリットは?情報通だけが知っている、子どもの潜在能力を引き出すための「塾」使いこなし術

AI要約

小学校低学年から5年生の数年間は子どもが徐々に「学習習慣」を身に付ける期間で、入塾や通塾に慣れる準備が始まる時期。

入塾の早さには直接的なメリットはないが、早い段階で塾環境に慣れたり情報収集の流れをつかむことができる。

低学年向けの塾カリキュラムには知育を重視した系統と計算力を鍛える系統があり、自身の子どもの伸ばしたい力に合わせて選ぶとよい。

低学年から通うメリットは?情報通だけが知っている、子どもの潜在能力を引き出すための「塾」使いこなし術

小学校低学年から5年生の数年間は子どもが徐々に「学習習慣」を身に付ける期間だ。入塾を検討したり、通塾に慣れるなど中学受験の準備が始まる時期でもある。小3までと、小4、小5の時期の塾との付き合い方を識者に聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校大学合格力ランキング2025年入試版』を転載したものです。

 早くから入塾する意味はいったい何だろう。勉強時間を長く確保することで苦手を克服する? 応用問題にたくさん取り組める?

 塾講師歴15年、VAMOS代表の富永雄輔氏は「早く入塾することに大きなメリットはないが、かといって遅く入るメリットはない」と明かす。いったいどういうことか。

「実は“塾を使いこなす”のはとても難しい」と富永氏。だからこそ早くから入塾することで、塾の環境に親子で慣れたり、先生とのコミュニケーションや中学受験の情報収集の流れをつかむなどの経験を積んだりすることに、意味はある。

 また、低学年のカリキュラムほど塾によって差があるため、その時期の学びを経験させたい家庭には大きなメリットになるだろう。

 低学年向けの塾のカリキュラムは、大きく分けて2系統ある。

 1つ目は、幼児への知育を端緒としたパズル問題への取り組みだ。この系統は「思考力」を鍛える目的がある。

 2つ目は、計算を端緒とした定番問題の演習で「処理力」を鍛える目的がある。こちらは家庭学習で身に付けやすく、演習量に成果が比例しやすい。

 低学年向けの塾を選ぶ際は「わが子のどちらの力をより伸ばしたいか」で選ぶといい。ここから先は、富永氏の話を基に、低学年から小学5年生まで、塾とどう向き合えばいいのかを具体的に解説していく。

●情報を集める低学年~小3

 勉強を生活の中心に置かないことを意識したい。詰め込み過ぎは伸び代を縮めかねないからだ。この時期の塾選びは、先生や校舎長との相性を見極めよう。合格実績は気にしなくていい。

 先生とは先述の2つの力のどちらを伸ばしたいか、相談しておくといいだろう。のんびりしているように見えるかもしれないが、この時期はまだ時間にゆとりがあるので中学受験の情報収集は、親が思いっ切りやり切ろう。親だけで学校見学に行くのもおすすめだ。

●勉強が一気に難化する小4

 学習内容が難しくなり、勉強時間も延びてきて、目安として1時間~1時間半は毎日勉強するような生活になる。

親の学校見学が本格化するので「塾の使い方」を意識する時期でもある。

 さらに、大学入学共通テストの動向が中学受験にどう影響を与えているかなど、最新事情にも精通したい。

●目標を設定する小5

 早い段階で目標にする志望校を先生と相談して決めて、その学校の科目ごとの出題傾向とわが子の得意分野との相性を確認する。塾の勉強は、復習に力を入れる時期だ。小5では、これまでの親の情報収集を大いに役立てて、子どもと一緒に学校見学に出掛けるのがいいだろう。

 いずれの時期も、塾の先生に敬意は必要だが遠慮は不要。「成績の悪さに引け目を感じて相談をためらう親も多いが、気にせず相談を。大きい面談を少しよりも、小さい面談をたくさんするのが一番」(富永氏)なので、課題は抱え込まずに共有して解消していこう。