日本に並ぶ温泉大国・アイスランド 入浴には水着と上着が必須ってホント? 事情通に話を聞いた

AI要約

日本とアイスランドの温泉の違いについて、火山性温泉や入浴スタイル、温泉の種類、ブルーラグーンの起源などが紹介されています。

アイスランドでは日常的に温泉を楽しむ文化があり、日本とは異なる入浴スタイルや注意点があることが述べられています。

アイスランドの温泉の代表であるブルーラグーンの歴史や特徴、源泉の起源について詳しく紹介されています。

日本に並ぶ温泉大国・アイスランド 入浴には水着と上着が必須ってホント? 事情通に話を聞いた

 草津・下呂・有馬に道後温泉など日本には各地に温泉があり、世界でも有数の「温泉大国」として知られています。最近では温泉目当てで訪れる外国人観光客も多く、“Onsen”という言葉が生まれ意味も通じるようになってきているそう。とはいえ、温泉大国は日本だけではありません。北大西洋に浮かぶ北欧の島国・アイスランドは日本と肩を並べるほどだなのだとか。はたしてどんな温泉があるのでしょうか? また日本の温泉との違いとは?「日本アイスランド協会」(東京都中央区)の名誉会長・脇田さんに教えてもらいました。

☆☆☆☆

 温泉には火山を熱源とする「火山性温泉」というものがあり、日本でいうと箱根温泉や別府温泉などが有名です。アイスランドにはなんと約130もの火山があり、町に少なくともひとつは地熱を利用した温泉プールがあります。「アイスランドではホテルなどの公共施設はもちろん、家庭にも温泉が引かれています。そのためアイスランド人は日常的に温泉を楽しむことができます」と脇田さん。

 日本の温泉と違うのは、入浴時には水着が必須というところ。日本では温泉に入る時は裸になるのがスタンダードですが、アイスランドでは水着&タオルというまるでプールに入る時のようなスタイルで入浴します。脇田さんは「入浴時は脇の下や足の先など、身体を隅々まで洗ってから入ることが基本です。施設によっては、身体の洗い方を指南するイラストが貼られているところもあるほど」と説明。また同国の気温は年間を通して基本的に低く、冬だと最高気温でも5度程度。温泉に浸かる際には外気の冷たさに気をつけ、羽織ものを持っていくことが推奨されるそうで、その点も日本の温泉とは異なります。

 温泉のタイプもさまざまです。ハイキングスポットとして有名なランドマンナロイガルの自然に囲まれた露天風呂をはじめ、同国最古の水泳施設を利用した温泉「シークレットラグーン」、海を望む絶景の「スカイラグーン」などがあります。中でも有名なのが、アイスランドの首都・レイキャビクにある世界最大級の人工露天風呂「ブルーラグーン」。湯に含まれるミネラル成分のにより幻想的な青色が特徴ですが、特筆すべきはその広さ。面積約5000平方メートルあり、これは50メートルプール4つ分に相当します。徒歩で一周するだけで十数分かかるそうで、日本の温泉とはスケール感が違います。

 アイスランドを代表するブルーラグーンですが、自然に湧いた源泉ではありません。原型は1976年にできた地熱発電所で、発電時に出る温水がたまってラグーン(潟)ができ、発電所の作業員が浸かるようになったのがはじまりなのだとか。そのうち作業員の1人が患っていた皮膚病が治るという出来事も起こり、噂を聞きつけた人々や研究者が集い、1987年、ついに温泉施設として正式にオープンしたのです。

☆☆☆☆

 脇田さん自身、アイスランド協会を設立後34年間で15回同国に渡り、そのたびにブルーラグーンに足を運んでいるそう。温泉好きはいちど訪れてみるといいかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)