ネットの誹謗中傷をなくしたい メタバースから飛び出して国際交流【イマドキの大学ゼミ】
情報と技術の関わりについて研究する中央大学国際情報学部の岡嶋裕史教授のゼミについて紹介。
SNS仲間に救われた経験からメタバースに興味を持ち始めた学生の話。
メタバースの研究を通じて日本社会の貢献やメタバース内外での多様性共存について考える学生の取り組み。
インターネット、メタバース、ChatGPTなど、ITが進化していくなか、情報と技術の関わりについて研究しているのが中央大学国際情報学部の岡嶋裕史教授のゼミです。コロナの影響で大学に通えなかった孤独な日々が続くなかで、SNSの仲間たちに救われた経験から、メタバースの世界に興味を持つようになった学生もいます。4年生の気谷聖子さんと柴崎宏際さんに、ゼミの様子や研究で身についたことを聞きました。
中央大学国際情報学部
岡嶋ゼミ
研究分野:情報ネットワーク、情報セキュリティ
ゼミ生:20人(男11人:女9人) (2024年4月時点)
インターネットの登場で世の中が激変したように、技術の発展は社会を変えていきます。岡嶋教授のゼミでは、情報と技術の関わりについて、社会学的な視点も加えて研究しています。ネットワーク、メタバース(インターネットの仮想空間)などをキーワードに、コンピューターの好きな学生が集まっています。4年生の気谷さんもその一人です。
気谷さんは1年生のとき、コロナ禍で大学に通えず、家で一人寂しく過ごしていました。そのとき励ましてくれたのがSNSの仲間でした。
「見ず知らずの人に心から感謝する気持ちを持てるのはどうしてだろう、相手をいたわる気持ちを持てるのはなぜだろう、と思いました。そこから情報と社会の関わりに興味がわき、このゼミに入りました」(気谷さん)
現在はメタバースの研究を進めています。
「アニメや漫画のコンテンツをたくさん持っている日本は、メタバースの世界観の醸成に協力できるといわれています。メタバースの発展に日本社会がどう貢献していけるのか、ネットの誹謗中傷のような悲劇が起きない平和な場所にするにはどうすればいいのかを考えていきたいと思っています」(気谷さん)
論文や文献を読み、実際にメタバースに入って感じたり、考えたりしています。多様な人々が共存するには何が必要なのかを知るために、メタバースの外でも国際交流を心がけているそうです。