能登の仮設住宅団地で“子ども消防団”結成「火の用心~!」団長はゲームが大好きな小学6年生の男の子

AI要約

石川県珠洲市の小学生が、能登半島地震で活躍した消防団を見て影響を受け、子ども消防団を設立する。消防団員に助けられた経験から、地域の安全を守る活動を始める。

子ども消防団は仮設住宅の見回りを行い、高齢者の孤立を防ぐために活動。消防学校で防災について学び、地震体験車にも乗り、地域の安全に貢献する決意を示す。

子ども消防団の活動を通じて、地域の復興や明るい未来を願う。自分たちの声で町を元気づけ、消防団の活動を通じて地域社会に貢献する姿勢を示す。

能登の仮設住宅団地で“子ども消防団”結成「火の用心~!」団長はゲームが大好きな小学6年生の男の子

能登半島地震でも人命救助などに力を発揮した消防団。地域のために活動する姿を間近に見ていた石川県珠洲市の小学生が「子ども消防団」を結成した。子どもたちが考えた地域のためにできることとは。

普段はゲームに夢中な宇都宮孝弘くん。珠洲市正院町に住む小学6年生だ。孝弘くんには日課がある。「ほんじゃ行ってくるね」。そう言って出かけたのは、今住んでいる仮設住宅団地の見回りだ。「火事と不審者がいないか。きょうの町は変化なしで平和な町」と、団地の安全を確認していた。76戸ある仮設住宅をぐるりと一回り。毎日、自主的にパトロールをしている。

元日は県外にある祖父母の家にいた孝弘くん。家族は全員無事だったが、自宅は全壊した。2カ月に及ぶ避難生活の中で声をかけてくれたのが、避難所に常駐していた消防団員だった。「消防車に乗るかって言われて。乗ってみたかったから乗った。いろんなボタンがあったし楽しかった」。同じ被災者でありながら自分たちを気遣ってくれた消防団員。自分も地域の人のために何かしたいと、友達と「正院子ども消防団」を結成することを決めた。

父の大輔さんは「周りの人がきっかけを作ってくれたので、やりたいって言い出したのかな。子どもの声でやった方が周りの人が気を付けるというか、子どもの声が聞こえるのはいいこと」と肯定的に受け止めている。正院こども消防団のメンバーは正院町に住む小学生12人。主な任務は仮設住宅の見回り。高齢者が多い仮設住宅で、住民の孤立を防ぐために自分たちができることを考えた。孝弘くんは団長に指名され、「子ども消防団一元気に見回りをしたいと思います」と決意を述べた。

子ども消防団としての活動を始める前に孝弘くんたちが訪れたのは、石川県金沢市にある県消防学校。子ども消防学校に参加し、現役の消防士から防災について学ぶ。「火事見つけたらでっかい声で火事だって叫んで周りに知らせましょう」。

授業の中には、地震体験車もあった。「このブースではみんなに地震体験をしてもらいます。過去の地震を体験してもらおうと思います」。元日に大きな地震を経験した正院の子どもたち。消防士は子どもたち1人1人に地震体験車に乗るかを確認した。正院子ども消防団で名乗りをあげたのは、孝弘くんだった。

「僕、6弱しか経験したことない。なんかわからないけど、体験してみようかなって」。元日の揺れを経験していない孝弘くん。地震体験に名乗りを上げたのは消防団団長としての決意の表れだったのかもしれない。

「行くぞ!初日の見回り頑張るぞ!」。孝弘くんの掛け声で、子ども消防団の活動が始まった。「火の用心~!」。

「家を失った人や家族を失った人がいると思うので、そんな人たちを元気づけたいなと思ってやりました。町が元みたいになってほしいしこの町が元気になってほしいです」と孝弘くんは力強く話した。自分たちの声で少しでも町が明るくなるように。消防団の声がきょうも町に響き渡る。

(石川テレビ)