キャッチアップ接種の期限迫る!10代・20代で知っておきたい子宮頸がんとHPVワクチンのこと【医師解説】

AI要約

HPVワクチンのキャッチアップ接種期限は2025年3月まで。公費で接種できる対象や自費接種の違いについて詳しく解説。

子宮頸がんの原因やHPVワクチンの効果について、若い世代にも理解しやすいように分かりやすく説明。

子宮頸がんのリスクや、HPV感染による前がん病変の予防について、定期的な検診だけでなくワクチン接種の重要性を強調。

キャッチアップ接種の期限迫る!10代・20代で知っておきたい子宮頸がんとHPVワクチンのこと【医師解説】

公費でHPVワクチンの接種が受けられるキャッチアップ接種の期限は2025年3月まで。公費で接種できる対象や、自費の場合はどうなる? 知っておくべきポイントや子宮頸がんお基礎知識について、HPVワクチンや子宮頸がん予防の啓発を行う「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」代表理事で、産婦人科医の稲葉可奈子先生が解説。

京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得。大学病院や市中病院での研修を経て、2024年7月渋谷に小中学生から受診できるレディースクリニック「Inaba Clinic」を開院。HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がんに関する啓発活動の一環として「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」の代表理事を務める。

日本産科婦人科学会によると、年間約1万人が罹患し、約2,800人が亡くなっているという子宮頸がん。“がん”と聞くと、ガール世代にはあまり馴染みがないかもしれないけれど、20代などの比較的若い世代での罹患が増えているそう。

「子宮頸がんは、約95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)という、ウイルスの感染によっておこるがん。感染の原因は主に性交渉です。HPV自体はごくあふれたウイルスで、性行為の経験がある人の約80%が、一生に一度はHPVに感染するといわれています。そのうちの一部が運悪く病気に進行し、子宮頸がんを発症します。

子宮頸がんの発症年齢は、20代後半~40代が最も多く、比較的若いうちにかかる人が多いのが特徴です。20代後半以降というと、ちょうど結婚や妊娠、出産を考える方も多い年代。子宮を失うかどうかが治療に関わってくるので、ぜひ予防してもらいたい病気です」

HPVワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプのHPVの感染を防ぎ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐ。

「HPVというウイルスが引き起こす子宮頸がんや、がんになる手前の状態(前がん病変)にならないよう、予防してくれるのがHPVワクチンです。

前がん病変は、がん検診でも見つけることができますが、運よく前がん病変で見つかった場合でも、負担は少なくありません。数カ月ごとに婦人科を受診して、働いている方なら仕事を休まないといけないかもしれないですし、内診台にあがって診察を受けること自体が、女性にとっては苦痛ですよね。そして検査のたびに進行していたら……と不安になる精神的な苦痛も。がんになる手前で見つかればそれでいいというわけではなくて、前がん病変を予防することも大切なこと。その前がん病変にすらならないように予防してくれるのがワクチンです」