娘の急死をきっかけに80代女性に異変 それでもケアマネが手出しできない理由<実録マンガの舞台裏>

AI要約

介護職13年の現役ケアマネージャーが描くマンガ『へもでもできるもん』。老人性うつ症状を抱える82歳の玉子さんに対するケアの困難さが描かれている。

へもは玉子さんのケアを担当せず、介護保険も使われていないため悩んでいる。上司のアドバイスで地域包括支援センターの協力を仰ぎ、玉子さんの訪問を決行する。

地域包括支援センターは難しい事例に対してケアマネのアドバイスや協力を提供する場所であり、介護相談や通報も受け付けている。職員は主任ケアマネジャーや保健師、社会福祉士などがいる。

娘の急死をきっかけに80代女性に異変 それでもケアマネが手出しできない理由<実録マンガの舞台裏>

介護職13年の現役ケアマネージャーへもが、周囲で起こるドタバタな日常をマンガにした『へもでもできるもん』。娘が急死したために、老人性うつの症状が現れた鳥野玉子さん(82歳)。理解し難い行動をするだけでなく、人が変わったように怒鳴り声をあげるまでになってしまいました。病院に行くことも拒否され、どうしようかと困り果てるへもでしたが……!? この時の様子を、作者のへもに聞きました。

「俺の担当ではないし、元気な玉子さんは介護保険も使っていない。かといって放置もできない……」と悩むへも。上司の鬼野所長に相談すると「一人で解決できないときは、地域包括支援センター(包括)に協力を仰いでみよう」とアドバイスをもらいます。早速、包括の職員に事情を話し、一緒に玉子さんを訪問することに。案の定、「一体なんですか!?」と、イラつきを隠せない玉子さん。へもと包括の職員はどう対処していくのでしょうか!?

包括は、介護相談の窓口のほか、ケアマネの後方支援などをしています。今回のような困難事例のときなど、ケアマネ一人では解決できないことへの協力やアドバイスの提供をしてくれます。そのほか、「近所でずっと家から出てこない人がいるけど、無事なのだろうか」のような通報を受けるところでもあります。

主に、主任ケアマネジャー、保健師、社会福祉士がいます。職員の熱心度は地域によるようですが、僕の知る方々はみなさんとても頼り甲斐があります。

役所のなかに市区町村直営(中央)の包括があり、地区ごとに配置されています。それらは民間の法人が運営しているところの方が多い印象です。

介護保険を利用する際、最初にもらう手引きのなかにその地域の包括の一覧表が入っていると思います。相談の際は、そこから探してみるといいでしょう。

『へもでもできるもん』は、「なかまぁる」(朝日新聞社)のウェブサイトで連載中。