【大学トレンド】東洋大が2科目で「学力判定型」の公募推薦を開始へ 専門家「多くの大学が追従する」

AI要約

2025年度入試で東洋大学が学力テストによる公募制推薦の入試を導入することが注目されている。

学校推薦型選抜の割合が一般選抜を上回る傾向があり、公募制や指定校制など様々な選考方法が存在する。

東洋大学の公募制入試は関東の大学では珍しい試みであり、一般選抜に匹敵する試験内容となっている。

【大学トレンド】東洋大が2科目で「学力判定型」の公募推薦を開始へ 専門家「多くの大学が追従する」

2025年度入試で注目されていることの1つが、東洋大学が学力テストによる公募制推薦の入試を12月に開始することです。関西の大学ではおなじみの入試方式ですが、関東でこの規模の大学が導入するのは初めてです。2科目で受けることが出来て、併願も可能です。受験生にとってはどんな影響があるのでしょうか。大学受験の専門家に聞きました。

私立大学の入学者のうち、一般選抜の割合を大きく上回っているのが総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせた「年内入試」です。2023年度入試では、私立大学入学者のうち一般選抜が39.7%、総合型選抜17.3%、学校推薦型選抜41.4%と、学校推薦型選抜だけで一般選抜を上回っています。

学校推薦型には、大学が指定した高校の推薦枠に選ばれた生徒が出願できる「指定校制」と、全国どの高校からでも出願できる「公募制」があります。いずれも学校長の推薦が必要です。

指定校制は専願が前提で、校内選抜を通過すると出願できます。面接や小論文などによる選考はありますが、出願できれば合格する可能性が高いという特徴があります。

公募制で注目されているのが、教科学力判定型です。以前の公募制は、専願が条件で、評定平均などの出願条件が設定され、書類審査を通過すると面接などの二次選考に進むのが一般的でした。一方、20年ほど前に近畿大学や龍谷大学が導入し、摂南大学や神戸学院大学などへと広がっていったのが教科学力判定型です。他大学との併願が可能で、選考は基礎学力テストのみ。得意科目で受験できる方式もあるのが特徴で、関西では多くの志願者を集めています。

これに対し、関東の大学では、こうした教科学力判定型の公募制を行っていたのはごく一部の大学にとどまり、大々的には実施されていませんでした。しかし、2025年度入試で東洋大学が全学部で「学校推薦入試 基礎学力テスト型【併願可】」を実施することになり、注目されています。試験は英語・国語または英語・数学の2教科。12月1日に実施し、合格発表は12月10日です。

駿台予備学校で長年、入試情報責任者を務めてきた石原賢一さんはこう話します。

「“併願可能”であり、“学力テストによる選抜”ということは、つまり一般選抜とほとんど変わらない試験ということになります。2月に実施される一般選抜を1期入試と考えるならば、公募制はゼロ期入試といえます」