愛犬とのマイカー旅行を楽しむために…事前の準備と注意するべき点【ワンニャンのSOS】

AI要約

愛犬との国内旅行を計画する際の注意点

移動中の食餌や必要な持ち物について

狂犬病ワクチンや車酔い対策、ノミ・マダニ対策などのポイント

愛犬とのマイカー旅行を楽しむために…事前の準備と注意するべき点【ワンニャンのSOS】

【ワンニャンのSOS】#74

 ワンちゃんの飼い主さんは、夏休みに愛犬を連れての国内旅行を計画しているかもしれません。今回は、その注意点を紹介します。

 まず移動はマイカーでケージなどは必須。狂犬病ワクチンの接種証明書か、登録市町村が交付する今年度の注射済票は持参すること。万が一、公園などで提示を求められると必要です。

 移動中の食餌は、いつものドッグフードのほかに、消化にやさしいウエットタイプのものもあるとベター。飲料水は常温でOKです。スポーツタオルや手ぬぐいは体を拭くだけでなく、濡らして首に巻く、ケガの処置などとても役立ちます。複数用意しておくのがお勧めです。マナーベルトやマナーオムツ、うんち袋なども忘れずに。

 都市部の狭い散歩エリアから郊外の広場に行くと、興奮することがあります。リードは2つ以上で、逸脱が怖いので可能ならハーネスや胴輪が無難です。

 車酔いしやすい場合、酔い止めの「セレニア」や「マロピタット」を乗車30~60分前に服用を。効能は半日程度ですから日帰りでなければ、ロングドライブの乗車回数分用意しましょう。

 たとえマイカーでも、ワンちゃんにはストレスが強い。途中休憩は必ず取り、サービスエリアなどのドッグランで発散を。車内の冷え過ぎは下痢の原因に。休憩は、その予防もあります。SAなどでの休憩のとき、駐車場所は施設から遠いエリアに。ペット嫌いな方への配慮と同時に、ほかのワンちゃんとの吠え合いなど余計な接触を避けるためでもあります。

 初めてのキャンプ場などでは、トイレが分からず、ガマンしてストレス性の膀胱炎(血尿)になることが少なくありません。その予防には、事前の散歩中などに尿をペットシーツなどに含ませ、ビニール袋などに密閉して持参。旅先のトイレでその臭いを嗅がせれば、すぐにそこでしてくれるようになります。排泄のガマンは、メスに多い傾向です。

■ノミ・マダニ対策も忘れずに

 川や湖などで遊ぶ前には、ノミ・マダニ対策も欠かせません。最もお勧めはフォートレオンで、出かける1週間前に塗布しましょう。泳いでも効果が持続します。

 最近は大型犬でも室内飼育がほとんどで、昔より肉球がかなりデリケートになっています。素足で河原などを歩かせると、日焼けした石などでヤケドしやすい。長毛種なら、肉球の間に生える毛を短くしないことが予防になりますが、その場合水浴びの後のタオルドライをしっかりと。蒸れると、皮膚炎を起こしやすくなります。

 本格的に泳ぐワンちゃんには、耳にあらかじめ綿を詰めておくとよいでしょう。耳道が湿ると、マラセチア菌が増殖しやすく、その予防です。

 もしマムシやヤマカガシなど毒ヘビに噛まれたら、毒抜きで吸引を。古典的ですが絞り出すのも有効です。その上でなるべく早く受診しましょう。

(カーター動物病院・片岡重明院長)