A6アウディA6 & S6がフルモデルチェンジ ポルシェ・マカンと同じプラットフォームを持つEV専用車になった

AI要約

2024年7月31日、アウディはA6 e-トロン・スポーツバック&アバントと、そのスポーツ・モデルであるS6 e-トロン・スポーツバック&アバントを発表した。アウディは2021年にスポーツバックのA6 e-トロンのコンセプト・カーを、翌年にはA6アバントe-トロン・コンセプトを発表し、2024年に市販バージョンを発表予定としていたので、計画通りに登場したといえる。

◆EV専用のPPEプラットフォームを採用

従来のICE(内燃機関)を搭載したA6の後継モデルであるA6 e-トロンは、2024年春に登場したQ6 e-トロンや電動化されたポルシェの新型マカンと同様に、アウディとポルシェが共同開発した電気自動車=バッテリーEV(BEV)専用プラットフォーム「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を採用したプレミアム・アッパーミドル・クラスの4ドア・クーペ&ステーションワゴン。ヨーロッパ市場では、2024年9月に受注開始となり、年末~2025年初頭にデリバリー開始となる予定だ。

◆2033年までにICEの販売を終了

これまで「2026年までにすべてのニューモデルをBEV化し、2033年までにICEを段階的に廃止する」としていたアウディだが、このところのBEV需要の急減速を受けて、「柔軟に対応」と方針転換。とはいえ長期的にはBEVに移行するとの見通しは変えておらず、2026年までにすべての主要セグメントにBEVモデルを投入し、2033年までにICE搭載モデルの販売を段階的に終了する計画を変えていない。

A6アウディA6 & S6がフルモデルチェンジ ポルシェ・マカンと同じプラットフォームを持つEV専用車になった

2024年7月31日、アウディはA6 e-トロン・スポーツバック&アバントと、そのスポーツ・モデルであるS6 e-トロン・スポーツバック&アバントを発表した。アウディは2021年にスポーツバックのA6 e-トロンのコンセプト・カーを、翌年にはA6アバントe-トロン・コンセプトを発表し、2024年に市販バージョンを発表予定としていたので、計画通りに登場したといえる。

◆EV専用のPPEプラットフォームを採用

従来のICE(内燃機関)を搭載したA6の後継モデルであるA6 e-トロンは、2024年春に登場したQ6 e-トロンや電動化されたポルシェの新型マカンと同様に、アウディとポルシェが共同開発した電気自動車=バッテリーEV(BEV)専用プラットフォーム「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を採用したプレミアム・アッパーミドル・クラスの4ドア・クーペ&ステーションワゴン。ヨーロッパ市場では、2024年9月に受注開始となり、年末~2025年初頭にデリバリー開始となる予定だ。

◆2033年までにICEの販売を終了

これまで「2026年までにすべてのニューモデルをBEV化し、2033年までにICEを段階的に廃止する」としていたアウディだが、このところのBEV需要の急減速を受けて、「柔軟に対応」と方針転換。とはいえ長期的にはBEVに移行するとの見通しは変えておらず、2026年までにすべての主要セグメントにBEVモデルを投入し、2033年までにICE搭載モデルの販売を段階的に終了する計画を変えていない。

今回発表されたA6 e-トロンも、アウディの電動化戦略にとって重要なモデルのひとつ。初めて「A」から始まる車名を持つセダン系ラインアップに投入されるBEVである。

◆VWグループ最高の空力性能

クリーンでボリューム感のある、モノリシック(一枚岩のような)なデザインが特徴的なエクステリアは、エアロダイナミクスの結晶だ。スポーツバックはフォルクスワーゲン・グループでベストのCd値(空気効力係数)0.21を実現。アバントもCd値0.24と、セグメント最高レベルの空力性能を達成している。ボディ・サイズは、全長×全幅×全高=4928×1923×1487mm(アバントは1527mm)で、従来のA6より全長は若干短いが、全幅と全高は拡大。2946mmのホイールベースは20mmほど長くなっている。

フロントには、細長いLEDデイタイム・ランニングライトと、その下部にLEDヘッドライト&ハイビーム、ウインカーが備わり、上下2分割となっている。LEDデイタイム・ランニングライトは、8パターンのシグネチャーを選択できるほか、他車とのコミュニケーションにも用いられる。リアに備わる第2世代のOLED(有機LED)リア・コンビランプは計450ものセグメントを持つ10枚のOLEDパネルで構成され、こちらも8パターンのシグネチャーから選択可能となっているほか、他車や歩行者などと様々なコミュニケーションが可能になっている。

◆新しいコンセプトのインテリア

インテリアも全く新しいコンセプトでデザインされている。最も目を惹くのは、大きく湾曲したMMIパノラマディスプレイだ。OLEDを用いたこのディスプレイは、ドライバー正面に11.9インチのアウディ・バーチャル・コクピット、その横に14.5インチと大型のMMIタッチ・ディスプレイを配置。助手席正面には、走行中はドライバーからは見えなくなるアクティブ・プライバシー・モードを備えた10.9インチの助手席用MMIディスプレイもオプションで用意される。

さらにオプションでは、ARヘッドアップ・ディスプレイも設定。車速や交通標識、ADAS(運転支援装置)情報、ナビ情報などが表示される。またインパネ両端には、ドア・パネルに食い込むようにオプションのデジタル・アウター・ミラーのディスプレイを装備。Q8 e-トロンよりもグッと高い位置にレイアウトされ、視認性が大きく高められている。PDLC(ポリマー分散液晶)技術により、透明度を段階的に調整できる大開口のパノラミック・ルーフもオプションで選択可能だ。

ラゲッジ容量は、スポーツバック、アバントとも、通常時は502リッターと変わらない。40:20:40の3分割リア・シートバックを倒せば、スポーツバックは1330リッター、アバントは1422リッターに拡大する。またどちらもフロント・ボンネット下部に27リッターの小物入れが備わり、小さなバッグ程度なら収納可能だ。

◆シャシーの注目はエア・サスペンション

シャシー面で注目すべきは、S6 e-トロンに標準のエア・サスペンションだ。

A6 e-トロンのアダプティブ・ダンパー装着車にもオプションで装着可能なこれは、走行モード切り替えで「ダイナミック」モードおよび「エフィシェンシー」モードを選ぶと、車高が10mm下がり、またエフィシェンシー・モードで走行中に、車速が120km/hを超えると車高がさらに10mm低くなり、エアロダイナミクスを向上させる。車速が80km/hを下回ると再び元の車高に戻る。

◆航続距離は最長で756km

ホイールベース間に搭載されるリチウムイオン・バッテリーは、グロスで100kWh、ネットで94.9kWhの容量を持つ。800Vテクノロジーにより高効率化を図ったことで、A6スポーツバックe-トロンは最大756km、A6アバントe-トロンは720kmの航続距離を実現している。4WDの高性能バージョンであるS6スポーツバックe-トロンとS6アバントe-トロンも、それぞれ675kmと647kmと十分に長い。

ヨーロッパ仕様は、11kWまたは22kWの交流家庭充電のほか、最高270kWの直流急速充電にも対応。わずか10分間で最大310km走行分の充電が可能なほか、わずか21分間で充電率を10~80%に増加させることもできる。

◆S6は2モーターで550ps

市場導入時に用意される、後輪駆動のA6スポーツバックe-トロン・パフォーマンスとA6アバントe-トロン・パフォーマンスは、367㎰(270kW)の最高出力を発揮。S6スポーツバックe-トロンとS6アバントe-トロンの最高出力は、前後2つのモーターの合計で503㎰(370kW)、ローンチコントロール作動時には最高出力は550㎰(405kW)となる。

動力性能は、A6スポーツバックe-トロン・パフォーマンスとA6アバントe-トロン・パフォーマンスが、0-100km/h加速5.4秒、最高速度210km/h、S6スポーツバックe-トロンとS6アバントe-とRNが、0-100km/h加速3.9秒、最高速度240km/hとなっている。

◆今後、RSも登場予定

なお、市場導入後にはA6 e-トロンの4WDモデルや、出力が異なるモデルなども追加される予定。噂ではRSモデルも登場すると言われている。

価格はA6スポーツバックe-トロン・パフォーマンスが7万5600ユーロ(約1210万円)~、S6スポーツバックe-トロンが9万9500ユーロ(約1590万円)~となっている。

メルセデス・ベンツのEQEにステーションワゴンの設定はないが、BMW i5セダン&ツーリングに続いてA6 e-トロンのスポーツバック&アバントも登場し、ドイツ・プレミアム御三家のアッパーミドル・クラスのBEVが出揃った。世界的にBEV需要が伸び悩んでいるとはいえ、将来に向けたプレミアムBEVセダン&ステーションワゴン市場の覇権争いが、いよいよ本格的にスタートする。

文=竹花寿実

(ENGINE WEBオリジナル)