今年押さえておきたい再注目アイテムはコート!【2024年秋冬トレンド解説|渡辺三津子編】

AI要約

先シーズンからテーラリングの動きが強まり、クラシックの再解釈や再定義が見られる。

60年代のスタイルがインスピレーションとして際立ち、ミニスカートやロングブーツ、帽子が注目を集める。

ビッグシルエットの流れが続き、コートが特に注目される。存在感を主張する新感覚のドレスとして人気。

今年押さえておきたい再注目アイテムはコート!【2024年秋冬トレンド解説|渡辺三津子編】

海外コレクションを取材した5人のおしゃれプロに緊急アンケート。今シーズンのムードから感動のショーまで、それぞれの視点でとらえたライブなトレンド解説をお届け。

渡辺三津子

ファッションジャーナリスト&コンサルタント

Answer:先シーズンから兆候は見えていましたが、秋冬シーズンを迎えて本格的にテーラリングを追求する動きを強く感じました。

流行語にもなった"クワイエットラグジュアリー"の流れを各デザイナーが自分なりの解釈で進化させたとも考えられます。"実用性""リアリティ""日常"といったキーワードが多くのブランドから浮かび上がってきました。

"クラシック"の再解釈や再定義、という根本を振り返る姿勢も見えます。

世界情勢も含めた不安定さ、不透明さが、時代のムードとして過去を振り返るという行為に人々を向かわせたのかもしれません。長年続いたファッションのカジュアル化にちょっと一息ついて立ち止まってみたい、という感覚を感じました。

Answer:スタイルのインスピレーションとしては、60年代が目立っています。

プレタポルテがスタートし、若者文化が花開いた時代。ファッションにもリアリティと動きやすさ、若々しさが求められました。ミニや膝丈のスカートにロングブーツというスタイル。今シーズン、ブーツは脚全体を覆うような超ロングからニーハイ、膝丈までさまざまですが、とにかくマストバイ。トータルルックを完成させる、トーク帽やキャスケットなどの帽子にも注目を。色はベージュ、茶、黒が多い。保守的とも取れる流れですが、ベーシック回帰の結果でしょうか。

ビッグシルエットの流れは、テーラードもニットも身体を包み込むような優しい調和を感じるシルエットへ。自分を守る鎧の強さと、優しい安心感の両方を感じさせます。最注目アイテムは、なんといってもコートだと思います。構築的シルエットが際立つ重量感のある素材で、短い丈は脚を大胆に見せて、超ロング丈はドラマティックな動きを楽しんで。いずれにしても、一着の存在感を主張する"新感覚のドレス"とも呼べるアイテムに。