使ってはいけない! 発達障害の人を「思考停止」に陥れるヤバい「フリーズ言葉」とその言い換え方

AI要約

発達障害の特性がある人に物を頼む際は、適切な言い方に注意する必要がある。具体的な指示や段取りを示すことで、相手を助けて思考停止状態を避けることが重要である。

段取りを説明する際は、完成形を示し、スモールステップで具体的に指示を与えることが効果的である。マニュアル化しておくことで、相手が自分で作業を進める際にも参考にできる。

注意深く言葉を選び、相手に分かりやすく伝えることが大切である。適切なコミュニケーションは、仕事や生活を円滑に進めるために必要なスキルである。

使ってはいけない! 発達障害の人を「思考停止」に陥れるヤバい「フリーズ言葉」とその言い換え方

職場や家庭で人にものを頼むときは、できるだけ手短な説明で済ませたいのが人情というもの。ですが、発達障害の特性が見られる「あの人」に物を頼むときは、かける言葉に注意しないと相手を「思考停止:arrow_right:フリーズ」という状態にしてしまい、仕事を滞らせてしまう場合があるので要注意です。新刊『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』から、発達障害の夫と長年暮した経験をもとに、野波ツナさん(漫画家)が良い言い換え方を提供します。

『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』(野波ツナ/著、宮尾益知・滝口のぞみ/監修)は好評発売中!

マンガ家の野波ツナです。夫・アキラさんと結婚し、暮らし始めて16年目に彼が発達障害のASDであることがわかりました。

発達障害の傾向がある「あの人」と生活や仕事を一緒にしていると、「これくらいの経験を積んでいれば、当然できるだろう」と思うような内容の作業が意外とできず、驚くことがあります。自ら手順を決め、段取りよく進めるのが苦手……というのは、実は「あの人」によく見られる特性の一つのようです。

例えばある日、会社の上司が、発達障害の傾向がある「あの人(=ネコ)」に、「これくらいはできるだろう」と思って簡単な資料作りを頼みました。

何度か経験したことであっても、段取りを組んで一人で実行するのは苦手、という「あの人」に、「だいたいわかるだろうから、自分で考えてやってみて」と仕事をまかせきりにするのは失敗のもとです。

下のように大雑把に頼んだ場合、悪くすると「あの人」から〈無茶なことを言われた!〉と逆恨みされてしまうかもしれません。

ではどうすればいいかというと、少なくとも一度は段取りをきちんと説明したほうがいいようです。

段取りを説明するなら、まずは完成形を示すところから始めます。

たとえば「あの人」に資料を作ってもらいたいときは、まず他の人が作成した資料を見本として示します。そして「このようにつくればいい」という具体的なイメージを持ってもらうとわかりやすくなります。

完成形の具体的なイメージをつかんでもらったら、次はそこに至るまでに何をどうすればいいのか、スモールステップで一つずつ指示を伝えます。

「最初に項目を立てる」

「項目ができたら、各項目に1つ図表を入れる」

「各項目は1ページ以内になるように、文字数を調整して文章を入れる」

「文章はここに書いてある内容を参考にして書く」

といったように、考える順番を明確にして分量の目安などを数字で伝えると、不安になりやすい「あの人」も迷いが晴れ、安心して作業を進められます。

さらに、以上の過程をマニュアルにして「あの人」に渡しておくと、次回からはそのマニュアルを参考に、一人でできるようになるかもしれません