「職人社長」が教えるマイホーム購入前に知っておきたい「とっておきTips!」

AI要約

家の選び方のTipsには、まずライフプランの重要性が強調されており、具体的には収入や将来の支出を考慮したシミュレーションが必要だと述べられています。

また、住宅会社の選び方においては、根拠のある提案をする会社を選ぶことが大切であり、それに関するポイントが紹介されています。

最後に、家の選び方においては自らも積極的に考え、選択することが必要であるというメッセージが伝えられています。

「職人社長」が教えるマイホーム購入前に知っておきたい「とっておきTips!」

家は一生に一度の買い物、という人がほとんどのはず。できれば失敗なく正しい選択をしたいもの。そこでYouTubeや著書での家の選び方指南が大絶賛されている「職人社長」こと平松明展さんに、購入前に知っておきたい家選びのTips(ポイント)を教えてもらいました!

平松明展さん

平松建築株式会社代表取締役。建築業界歴23年。19歳から大工として10年間で100軒以上の住宅を解体、修繕し、住宅の性能の特徴を理解する。会社経営と並行しドイツを訪れて省エネ住宅を学ぶほか、地震後の現地取材を行い、気候風土に合った家づくりの研究を行う。

※本記事は7月17日発売の「マイホームLOVEWalker特別編集 いま、家を買うべき首都圏の街・関西の街」(角川アスキー総合研究所)の一部を抜粋、再編集したものです。

■「理想の家」は人それぞれである

家がほしいという人の誰もが「満足のいく、快適で、後悔のない家」を手に入れたいと思うのは当然。ただ、平松さんはそこに絶対の答えはないと話します。

「"家づくりは人生づくり"。私は人それぞれの人生、価値観があるように、家にもその人だけの答えがあると考えます」

「理想の家」とは、住む人によって、大きさも間取図もデザインも変わってきます。だからこそ、家づくりの第一歩は「どんな人生を送りたいか」「どんな人生を送りそうか」をシミュレーションすること、すなわち「ライフプラン」をつくることです。

■Tips1 「ライフプランとは」

■現在の収入やイベント老後の生活も洗い出す

ライフプランは現在の家族構成、収入とローン返済を想定した支出、金融資産を洗い出してシミュレーション。そこに子どもの進学など家族のイベントとその支出を想定した年表のような表を作成。さらに夫婦の老後の生活とその費用を加えれば、かなりリアリティの高いものになります。ここまでやれば予算の目安も見えてくるはず。

■「ライフプラン」はリアリティにこだわる

「ライフプランはリアリティが大事です。家は大きな買い物。予測やシミュレーションをしっかり行えば、家にどれだけのお金を使えるか、どんなプランの家が本当に必要なのかが見えてきます。そうすれば失敗のリスクが下がるし、合理的な決断をしやすくなる。大変な作業ではありますが、必ず行ってほしいです。実際、しっかりつくっている方のほうが破綻していない印象ですよ」

自分の計画の無理な部分、想像よりも多そうな将来の支出が分かれば計画変更を考えなくてはいけません。一方、逆に「もっとお金をかけられそう」という場合も。

「ライフプランはFP(ファイナンシャルプランナー)の方も立てられますが、家づくりと連動して考える場合、FPの方は家づくりのプロではありませんから、分からないこともあります。なので将来の修繕、ランニングコストなど家の長期コストを考慮してライフプランを立てるなら、お客様、住宅会社の担当者、FPの3人でつくるのが最適解でしょう」

■Tips2「住宅会社で大事なのは根拠のある提案」

■住宅会社の提案に「根拠」はあるか

どの会社の家で買うのか、建てるのか。会社選びは重要です。しかし、住宅会社といっても大手から地域密着の工務店まで、その種類も数も多数。どのように選べばよいのでしょうか。

「見極めのポイントは"すべてにおいて根拠があるかどうか"です」

具体的には、たとえば家の性能について、すぐに自社のデータなどを出せるかどうか。数字が言えなかったりカタログスペックしか出てこなかったりすると怪しい。

「しっかりとした会社は、建てた家に取り入れた機能について、光熱費などを必ず検証しているものです。本当のプロはお客様にリスクを負わせません。お客様に納得してもらってリスクを最小化するのがプロ。そういう観点での提案があるかもチェックしてみてください。また、担当者が売ることしか考えていなさそうか、それとも“お客様を助ける”という意識があるかも大事。当然、後者の方が信頼できますよね」

以下に、根拠がある提案をする住宅会社を選ぶためのポイントを6つ紹介します。

(1)ライフプランの変更は立ち止まって考えるべし

ライフプランを立てた結果、予算やプランに変更が生じた場合、勝手に変更せず、根拠をもって変更の提案をしているか。修正のたびに納得できるかを立ち止まって考えよう。

(2)値引きはうれしいが根拠の確認を忘れずに

値引きの提案はうれしいが、本来、初期費用はあらゆる要素を計算して算出した数字。適正なら大幅値引きは無理。何かの条件が変わっていないか、値引きの根拠の確認が必要だ。

(3)契約の決断を急かすのは目的が「売ること」だから?

どんな物件でも契約を急かされる場合は要注意。本来は希望を聞き、それを実現する住宅を提案するのが営業。それをすっ飛ばすのは「売れた」という結果だけが目的の可能性も。

(4)断熱性の高さをデータで説明できるか

高性能住宅において断熱性だけを強調する場合は注意。断熱性は気密性、換気方式、日射の兼ね合いなど複数の要因がセットになって高まる。細かな説明やデータの提示があれば安心。

(5)初期費用の低さだけを強調されたら要注意

住宅購入は将来のメンテナンスや光熱費などランニングコストも考えなければならない。初期費用だけで検討するのはリスクが高い。それだけを強調される場合は気をつけよう。

(6)契約書は数字とともに、仕様もチェックする

住宅会社から提示された契約書に、金額は記載されていても仕様が何も書かれていない場合は危険。あとから予定外の費用が発生することも。わからないことは質問してみよう。

取材・文=長谷川一秀

【「マイホームLOVEWalker 特別編集 いま、家を買うべき首都圏の街・関西の街」編集部】