くら寿司の国産天然魚加工場「貝塚センター」に潜入

AI要約

くら寿司の貝塚センターでは、国産天然魚の加工が行われており、加工工程や施設の様子が紹介されている。

安全性を確保するための工夫や、加工過程での再利用などが取り上げられている。

また、貝塚事業所には天然魚市場も併設されており、珍しい魚や安く販売される魚など幅広い品揃えがある。

くら寿司の国産天然魚加工場「貝塚センター」に潜入

 くら寿司は8月1日、国産天然魚の加工を行なう「貝塚センター」(大阪府貝塚市)を報道関係者向けに公開した。

 同社では、世界各国からさまざまな魚を仕入れているほか、最先端のテクノロジーを活用した養殖事業に着手し、供給の安定化に取り組んでいるが、国内の約160の漁協と提携し、うち3か所では定置網にかかった魚の全量を買い取る契約を行なうなど、新鮮な国産天然魚も活用している。

 貝塚センターは、こうした国産天然魚を集約し、各地域のセントラルキッチンに運ぶ前段階での加工を一手に引き受けている加工場となる。天然魚を扱う性質上、加工する魚の種類や量などはその日によって異なるが、取材日となる8月1日にはハマチ、ボラ、クロダイが運び込まれ、作業が行なわれていた。

 加工場に入ってすぐに目に入ってくるのは、鱗(うろこ)を取る機械だ。氷漬けの魚を頭から入口に流し込むと、鱗が取れた状態で出口から出てくる。その後、機械では取り切れなかった鱗を手作業で取り除き、頭を落とし、ワタを取ってから3枚におろす工程に進む。

 3枚におろす工程も機械化されており、その後、手作業で腹骨を取り、皮引きを行なう。皮引きについても専用の機械が導入されていた。皮引きの後は、各地のセントラルキッチンでの二次処理が行ないやすいように柵(さく)の状態に切り分け、冷凍処理(魚種によってはチルド)して運ばれていくことになる。

 加工を行なう際には、サンプル(検体)を切り出し、異常がないかを確認できるようにするなど、安全性を確保する砦の役割も担っている。

 また、3枚におろして出てくる中骨の部分については、乾燥させて魚粉に加工するのが一般的だが、同社ではその一部を人気のサイドメニュー「スリーミーコロッケ」の材料にも活用している。

 加工場内には中骨部分を身と骨に分ける骨肉分離機が設置されており、これを使ってすり身を作成。隣の部屋には成型機やフライヤーがあり、スリーミーコロッケが作られていく様子も確認できた。

 ちなみに、貝塚センターがある貝塚事業所の隣には、東貝塚店があるほか、「くら天然魚市場」なる鮮魚売り場が設置されている。前述の通り、日本全国からさまざまな天然魚が貝塚に持ち込まれてくるが、同市場の売り場には全国規模で提供できるほどの量が確保できないような珍しい魚も並んでいる。

 もちろん、定番の鮮魚も同社が直接仕入れているため、一般的なスーパーマーケットより2~3割安く販売されている。3枚におろしたり、柵にしたりといった加工も無料で頼める。刺身や弁当なども販売されており、イートインコーナーで食べることも可能だ。

 こうした施設は全国にここだけということで、まさにくら寿司の聖地とも言える。大阪市内からはやや遠く、関西国際空港の方が近いという立地だが、広々とした駐車場も用意されているので、穴場的な観光スポットとして要チェックだ。