くら寿司、店舗スタッフが技術を競う「全国KURA-1グランプリ」開催

AI要約

くら寿司が第3回 全国KURA-1グランプリを開催し、店舗スタッフが調理技術を競った。

22店舗が参加し、お持ち帰り部門、ネタ切り部門、デザート部門で調理の腕を競った。

優勝者は一宮尾西店となり、藪内薫氏は参加者を称えた。

くら寿司、店舗スタッフが技術を競う「全国KURA-1グランプリ」開催

 くら寿司は7月31日、店舗スタッフが調理技術を競う「第3回 全国KURA-1グランプリ」を大阪府堺市の本社で開催した。

 同社では、以前より接客スキルを競う社内コンテストを開催してきたが、2022年から店舗の厨房と同等の設備を揃え、調理技術を競うコンテストをKURA-1グランプリと称して開催している。

 今年で3回目の開催となり、全国各地のエリアマネージャーが推薦し、参加が認められた22店舗(各3人)でチームを組み「お持ち帰り部門」「ネタ切り部門」「デザート部門」で調理の腕を競った。

 大会は部門ごとに4チームずつ決められたオーダーに従って調理を行ない、オペレーション上の安全・衛生管理など、定められた作業マニュアルに従いながら、完了までの時間やできあがりの見た目の美しさを競う形。3部門で獲得した点数の合計がチームの点数となり、優勝決定戦に進出する3チームを選出。その後、選ばれた3チームが新たなオーダーに応じて調理を行ない、合計点を競った。

 お持ち帰り部門の予選では、「人気10種セット」を調理。前回までは握りの調理のみだったが、今回から軍艦も入ったお題となり、より現場の作業に近い内容になっており、握りと軍艦のどちらを先に作るかなど、参加者によって手順が異なる部分もあり、戦術的な要素も垣間見られた。

 改めて調理の様子を見ていて気付かされるのは、一貫ずつ握るのではなく、ロボットから出てきたシャリを容器の上にずらりと並べ、その上にネタをのせていくことで効率を追求しているところ。一見すると誰でも同じように作れるようにも思えるが、一貫ずつ整然と並べることの難しさが伝わってくる。

 審査員の目や報道関係者のカメラに囲まれながら作業する緊張感もあってか、マニュアル通りにバラン(緑色のギザギザシート)を乗せ忘れるなどの細かいミスを誘発するなど、コンテストならではの難しさもあったようだ。

 ネタ切り部門の予選では、ハマチを皮切りし、20枚に切り分けるスキルを競った。同じ大きさ、重さになるように切り出すには熟練の技が求められるが、キッチンスケールを使いながら精度を追求していく様子が見られた。こちらも作業マニュアルに従うと、天身を切り落として形を整える必要があるが、この作業を忘れるチームもあり、細かなミスが点差に繋がったようだ。

 デザート部門の予選では、5月~6月にかけて提供していた「大福あんみつパフェ」がお題に。具材を重ねる順番はもちろんのこと、カップからはみ出る部分の高さ、黒豆の見え方など、いくつもの要件が定められており、細部に注意を払いながらスピーディーに美しいパフェを作る技術を競っていた。

 予選を1位で通過したのは千葉駅前店(458.6点)。2位には一宮尾西店(455.6点)、3位には足立青井店(429.2点)が入った。前回優勝の久留米合川店は421.6点で4位とわずかに及ばず、連勝するのは至難の業のようだ。

 優勝決定戦に進んだ3チームには、予選とは異なるお題がその場で出題された。例えば、デザート部門ではかき氷機が搬入され、氷の削れ具合を調整しながら「夢のふわ雪」を仕上げるスキルが要求されるなど、さまざまなメニューの作り方を熟知し、対応していく能力が要求された。

 難題をクリアし、見事優勝に輝いたのは一宮尾西店(678.8点)。予選を1位で通過した千葉駅前店は673.4点と僅差で2位、足立青井店は618.6点で3位となった。

 同大会では、本社併設の東貝塚店で併催していた接客コンテストの表彰式が行なわれたほか、予選の各部門での個人点数の1位をMVPとして表彰。

 取締役営業本部長の藪内薫氏は、「こんな緊張感の中で作業したことがない、いつもと違うと感られた方がほぼほぼ全員だと思う。ただ、KURA-1グランプリの目的は、お客さまにご満足いただける商品を届ける、ご満足いただける接客を行なうために技術を競い、切磋琢磨すること。お店でお客さまが本当に目の前で見ていると思って日頃から取り組んでいただいた方が絶対にいい。ここに来た人たちはこの緊張感が分かっている。この緊張感を持って日々作業していただきたい。この緊張感を持って日々接客していただきたい」と述べた上で「全国545店舗の中から選ばれた22店舗、接客も約1万人の中から選ばれた6名。ここにいらっしゃる皆さんがくら寿司の宝。来年も必ずこの場所で会いましょう」と参加者を称えていた。