Amazonファーマシーは国民の薬に対するリテラシーをアップさせる【クスリ社会を正しく暮らす】

AI要約

Amazonファーマシーはオンライン服薬指導や薬の配送を提供する新しいサービスであり、コロナ禍での需要が高まっている。

オンライン服薬指導の利点として、忙しい人や病気を抱える人にとって利便性が高まり、薬剤師の役割も見直される可能性がある。

Amazonファーマシーの導入は多くの薬局にとってDXを促進する可能性があり、薬の正しい利用や服薬指導の重要性も広まるだろう。

Amazonファーマシーは国民の薬に対するリテラシーをアップさせる【クスリ社会を正しく暮らす】

【クスリ社会を正しく暮らす】

 去る7月23日に行われた「Amazonファーマシー」の記者会見に同席させていただきました。Amazonファーマシーとは、Amazonショッピングアプリ上の自身のアカウントから、登録されている対象薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受け、購入した処方薬を自宅などに配送、または薬局で受け取れるサービスです。

 現在、オンライン服薬指導に対応できる薬局はどんどん増えています。コロナ禍では多くの薬局で実施され、オンライン服薬指導を提供できる土壌はすでに整っているといえるでしょう。あとは活用する一般市民がその便利さを実感することがさらなる浸透に必要ではないかと考えます。

 コロナ禍前はZoomなどのWEB会議システムは積極的に使われていませんでした。しかし、コロナ禍では多くの人がWEB会議システムの便利さを実感されたはずです。いまや、どの分野でも欠かすことができないツールとなったのではないでしょうか。同様に、オンライン服薬指導の有用性を実感することにより、その利用も一気に進むのではないかと考えます。

 たとえば、中高年の生活習慣病の患者さんや小さいお子さんがおられる方など、忙しくて薬局で待っていられないといった人も薬局から薬を受け取るハードルが低くなり、より治療を受けやすくなる、といったメリットが考えられます。長い時間待ってから急いで薬を受け取っていたのが、指定した時間にオンライン服薬指導で説明を受けると予定を立てられるので、薬剤師の説明をしっかり聞くこともできるわけです。

 今まで、薬剤師といえば“薬を渡してくれるだけの人”と考えていた方も、薬剤師は、薬についての不安点を相談できたり、服薬に関する詳しい説明を行ってくれたりと、頼れる存在であると実感できるようになるでしょう。そして、薬剤師がしっかり服薬指導を行うことにより、国民の薬に対するリテラシーもアップするのではないかと期待します。

 Amazonファーマシーは多くの薬局にとっても、DXを促進する一歩になるのではないでしょうか。

(荒川隆之/薬剤師)