「CDかけっぱなし」だけでOK! 10歳で英検2級合格【おうち英語】で子どもが英語を身につける方法を、翻訳家・鹿田昌美さんが伝授

AI要約

翻訳家の鹿田昌美さんが実践してきた「おうち英語」の方法について紹介。

子どもと英語を取り入れる際のポイントや親の役割について説明。

親が英語が苦手でも十分に子供に英語環境を提供できる方法を提案。

「CDかけっぱなし」だけでOK! 10歳で英検2級合格【おうち英語】で子どもが英語を身につける方法を、翻訳家・鹿田昌美さんが伝授

これまでに70冊以上の本を翻訳してきた翻訳家の鹿田昌美さん。日々締切を抱えて忙しくされる中、家庭では息子さんに幼少期から家庭で英語に親しませており、10歳のときに無理なく英検2級(高校卒業程度のレベルとされる)に合格するほどに。鹿田さんの実践してきた「おうち英語」とはいったいどのような方法なのでしょうか?

――鹿田さんはお子さんとどのように「おうち英語」を始められたのでしょうか?

鹿田さん:わが家は息子が生後7ヶ月の頃から保育園に通っていたのですが、夫も忙しく、毎日ほぼワンオペ状態という日々を過ごしていました。1日を終えるだけで精一杯という毎日でしたから、子どもの早期教育について考える余裕さえありませんでした。ただ、「息子に何か与えてあげられることがあるとしたら、私の場合は英語のスキルなのかな」と思ったので、自分の気分転換も兼ねて、保育園の送迎時の車の中で、英語のCDを聴かせてみることにしたんです。それが我が家の「おうち英語」の始まりでした。翻訳家の家庭だから特別なことをしているのでは、と思われるかもしれませんが、親が英語を教えるということはせず、とにかく「英語の歌や朗読のCDを聴かせる」ことだけを意識していました。

――CDを聴かせるだけでいいんですか?

鹿田さん:CDだとスイッチオンで「かけっぱなし」にできるのがいいんです。自分が家事をしている間も、子どもにCDで歌を聴かせておくとご機嫌になったりして。音楽のある生活っていいなと、楽しむ感覚でした。日本語を習得するプロセスを考えても、親のくり返しの語りかけなどを経て、赤ちゃんは1歳前後でようやく簡単な単語を発するようになりますよね。そういう日本語の学びに、少しだけ英語を混ぜる、という感じです。ですから最初にアルファベットを覚えさせるなんてことはせず、童謡だったり、絵本だったり、親が無理なくできて子どもが楽しんでくれる内容を最優先にしてきました。

――英語と日本語で子どもが混乱するということはありませんか?

鹿田さん:わが家は夫も私も日本生まれの日本育ちです。親が日本語で生活をしている家庭環境であれば、まずは日本語でコミュニケーションを取れるようになることが、家族にとって何よりも大切です。生活する中で子どもの関心や興味のあることを観察しながら、そこに英語を足していくというスタンスでした。親が日本語で生活をし、社会生活の大半を日本語で行う環境であれば、家で英語を意識して与えたとしても、日本語を使う時間量が圧倒的に勝るため、混乱する心配はありません。むしろ小学校に上がるにつれて英語に触れる時間がなかなかとれなくなるので、早めにおうち英語をスタートして、コツコツと持続させる方法を考えておくことが大切です。

――親が英語が苦手だったり、発音に自信がなかったりしてもよいのでしょうか・・・?

鹿田さん:これは、もっとも多い質問ですが、親は堂々としてていいんです! 音源(CD)をかけっぱなしにしながら、親もちょっと真似して、自分の英語力アップにつなげてもいいですし。そして親がもっと自信を持ってほしいのは、「自分には中学までの文法力がある」ということ。苦手意識を持つ前に、そこの部分の積み上げがあることに自信を持ってほしいです。発音に関しては、中1で英語を始めた私よりも息子の方が上手なんです。私は逆に教えてもらったり、読んでもらったりすることもあり、それがコミュニケーションの一環になっています。「親は完璧じゃなくていい」というのは、子育て全般に言えることではないでしょうか。英語学習について言えば、子どもに教えてもらってもいいし、「私には文法力がある」と自信を持てばいいし、「英語力を子どもと一緒に積み上げていくチャンス」と思えばいいんです。

とにかく、入口は「かけっぱなし、リスニングが9割」なので、親が何とかしなきゃ、と身構えなくてOKです。