「夏は痩せやすい?」「汗の匂いが……」 夏のランニングの疑問にドクターランナーが回答

AI要約

夏ランは汗をかく力を高め、体温調節力を向上させる助けになる。

夏のランニングは減量効果が高く、代謝を活発にするので痩せやすい。

日光を浴びることでビタミンDの生合成が促進され、がん予防や免疫力向上につながる可能性がある。

「夏は痩せやすい?」「汗の匂いが……」 夏のランニングの疑問にドクターランナーが回答

すでに本格的な暑さの日も多くなっています。夏はランナーにとって厳しい環境ですが、秋冬のマラソンに向けて練習を積んでおきたい季節でもあります。そんな夏ランの疑問について、ドクターランナーの青木晃さんが回答した2018年のランナーズの記事を一部編集して紹介します。

――夏に走ると何がいいのですか?

「汗をかく力(=発汗力)が高まります。エアコンに頼る生活をしていると、本来夏に発揮すべき「汗による体温調節力」が低下して、冷え性や熱中症を引き起こしやすくなります。上手に汗をかける身体になるには夏ランが最適です。ただし、日中は熱中症のリスクがあるので、走るのは朝や夕方以降がいいでしょう。」

――夏の方が痩せやすいって本当ですか?

「ランニング直後の体重の減少はほとんどが水分です。ただし、夏は一度上昇した心拍数や体温、筋温が高い外気温や湿度の影響で低下しにくいので、走り終わった後も身体の深部ではエネルギーの消費活動が継続しています。それによって一日中、代謝が活発な状態が持続します。その意味ではランナーは夏の方が減量しやすいといえるでしょう。」

――紫外線はがんの原因という話もあるけれど……

「日本人の紫外線に対する耐性は白人より高く、その影響によってがんになる可能性は低いとされています。むしろ「日光を浴びることでビタミンDの生合成が高まる方が重要」と考え方が変わってきています。ビタミンDは近年の研究で、がんの発症を抑制する、免疫力の低下を防止するなどの働きが期待できることが分かっています。」

――走り終わっても汗がひかないのはなぜ?

「走り終わっても汗がひかないのは、うつ熱といって体内に熱がこもっているため。10分以上汗がひかない時は、熱中症予備軍。すぐに給水し、身体を冷やしましょう。」

――暑い時、水はどこにかけたら効果的?

「走りながらであれば、首にかけるのが一番手軽です。ネッククーラーは、頸動脈の太い血管を冷やせます。首を冷やすと心拍数が下がり、明らかに元気が出るのが分かります。」

――汗がとにかく臭いのですが……

「かいた汗が臭いのは毛穴の脂質が酸化するため。40歳以降、体内の抗酸化力が落ちることも一因なので、ビタミンA・C・E、各種ポリフェノール、アスタキサンチン、コエンザイムQ10 といった抗酸化サプリメントを活用するのがお勧め。」