ゲームをしながら麺を“すする”!?“片手で食べられる“ラーメン”を日本ハムが開発…どんなニーズがあったのか聞いた
日本ハム株式会社が開発した「BOOST NOODLE」は、片手で食べられるラーメンで、ゲーマー向けにスパウトパウチで提供される。
商品開発の背景や工夫した点、苦労した点などについて、若手開発者のアイデアコンテストから商品化された経緯が明かされている。
味と食感、形状などにこだわり、常温保存可能でつけ麺風の濃厚魚介とんこつ味に仕上げるために試行錯誤を重ねた。
“片手で”食べることができるラーメンが登場した。
日本ハム株式会社が新たに開発したのが、タイムパフォーマンス追求型のラーメン「BOOST NOODLE(ブーストヌードル)」だ。スパウトパウチ(口栓付きパウチ)の封を開けるだけでそのまま食べることができる。
中身は短くカットした麺、チャーシューやメンマが、ゼリー状の濃厚魚介豚骨スープと絡み合った状態で、16mm口径のスパウトパウチに入っている。なお、スープの中で麺がのびてしまわないように、こんにゃく麺を使用している。
常温保存が可能で、1パックの内容量は120g。小腹が空いたときにちょうどいいとのこと。食事に時間をかけられないときのほか通勤や旅先への移動中などでも、片手で本格的な味わいを堪能できるという。またカフェインが35mg配合されている。
7月27日に発売され、参考小売価格が660円(税込)。Amazonやコンビニエンスストアの一部店舗で購入することができる。
パウチからそのまま食べるので手や服などを汚す心配が少ないのも助かることだろう。しかし、そもそもどんな経緯でラーメンを片手で食べるという案が出たのだろうか?
開発の経緯を、日本ハムの加工事業本部・マーケティング統括部の岡村香里さんに聞いた。
ーー開発のきっかけを教えて。
社内の若手開発者による新商品のアイデアコンテスト「開発甲子園」(=2018年から年に1回開催)で、2022年に優勝したアイデアを商品化しました。自身もゲーマーの若手開発担当者が「オンライン対戦型ゲームを長時間プレイしながらもラーメンを食べたい」との発想からたどり着きました。
ーースパウトパウチにしようと思いついたのはなぜ?
ゲーマーの方々は、「高額で大切なゲーム機器を汚したくない」「ゲーム中に片手で簡単に食べたい」「ゼリー飲料や飲み物ではなく食事に近いものを食べたい」といったニーズをもっています。それらの要望に叶える形でラーメンを提供することを追求した結果、スパウトパウチに入れた形で提供するのが適しているとの判断に至りました。
なお、なぜラーメンなのかは元々、発案者がゲームをやっている最中にラーメンを食べたいとの発想があったこと。また、ターゲットである20代男性は、全世代の中でラーメンの喫食率が高いことが理由にあげられます。
ーーどんな部分にこだわった?
【中身】
・スープの中で麺がのびてふやけないよう、麺にはこんにゃく麺を使用。
・美味しさと食べやすさを追求し、麺の長さやチャーシュー、メンマの大きさ、スープの食感を工夫しました(特許出願中)。
【形状/その他】
・ワンハンドで食べられるゲーム中の喫食時に、そのまま置けるスタンディングスパウトパウチを採用。
・常温保存が可能(賞味期限90日)。
ーー開発で苦労した点は?
実際にゲーマーの方に試食をしていただき、常温でも美味しくするために「味」の面で数多くの試作を重ねました。
当初は厳しいご意見をいただきました。どのようにしたら常温でも美味しく満足感が得られるかをアンケート調査して、さまざまなスープを試した結果、つけ麺のような濃厚魚介とんこつ味となりました。