周りは食品の「値上げ」に敏感ですが、正直それほど実感がなく、特に節約もしていません。実際、どの程度値上がりしているのでしょうか?

AI要約

食品の値上げ要因や今後の見通しについての分析結果が示されている。

食品の値上げ品目数の推移や消費者の意識に関するデータが紹介されている。

値上がりを感じやすい食品と感じにくい食品の違いについても触れられている。

周りは食品の「値上げ」に敏感ですが、正直それほど実感がなく、特に節約もしていません。実際、どの程度値上がりしているのでしょうか?

相次ぐ食品の値上げの影響を受け、家計のやりくりに頭を悩ませている人も多いでしょう。

しかし、食品の中にはほとんど値段が変動していない分野もあり、ライフスタイルによってはそれほど影響を感じていない人もいるようです。

実際に、どのような項目の食品がどれだけ値上げしているのかを、値上げの理由とともにご紹介します。

株式会社帝国データバンクが行った2024年7月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについての分析によると、食品の値上げ要因として挙げられるものには「原材料高」「エネルギー価格の上昇」「包装・資材の値上げ」「物流費の値上げ」「円安」「人件費の値上げ」などがあります。

最も多い「原材料高」は2023年の95.9%より下がり、91.7%となっています。また「エネルギー」が59.9%、「包装・資材」が67.0%、「物流費」が64.2%、「円安」が29.8%、「人件費」が25.7%です。

今後の見通しとしては、円安の進行や一部原材料・包装資材で一層の値上げが見込まれるものもあり、今秋にかけてさらに値上げする食品が増えることが予想されています。

株式会社帝国データバンクによると、2024年の飲食料品値上げ品目数は累計1万品目を突破する見込みです。年間で1万品目を超えるのは調査を開始した2022年以降3年連続となっています。

2024年11月までの予定分を含めた食品分野別の値上げ品目数を表1にまとめました。

※株式会社帝国データバンク「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査-2024年7月」を基に筆者作成

値上げ品目数は冷凍食品などの「加工食品」が最も多く、次いでペットボトル飲料などの「酒類・飲料」、しょうゆ製品などの「調味料」の値上げが多かったことが分かります。

株式会社ウェブクルーが実施した「食品の値上げにともなう消費意識に関するアンケート」の結果によると、食品の値上がりを実感している人の割合は全体の9割以上を占めていることが分かります。

特に値上がりを感じている食品として「卵・チーズ・乳製品」「野菜」「麺類(乾麺・カップ麺含む)」などが挙げられており、値上がりにより購入頻度や購入量を減らしている人もいるようです。

一方で、惣菜やレトルト食品などは値上がりを実感している人の割合がそれほど高くないため、もともとコンビニ弁当やスーパーの惣菜などを中心に食事を取っていた人にとっては、食品の値上げを実感しにくいかもしれません。