何百匹もの犬猫 血液バンクに死ぬまで隔離収容され血を流す<米国>

AI要約

動物用血液を販売するTVBBが劣悪な環境で犬や猫を飼育し、血液を採取する実態が明らかになった。

TVBBでは高齢や病気の動物からも血液を採取し、施設に閉じ込められたまま生涯血液を採取されることもある。

血液の安全性が問題視される中、TVBBは血液ドナーの年齢制限などのガイドラインを守らず、悪質な取引を行っていた。

何百匹もの犬猫 血液バンクに死ぬまで隔離収容され血を流す<米国>

 当会(JAVA)は、多くの海外の動物保護団体と連携して活動を行っています。今回は、協力関係にある米国に本部をおく団体から届いた、ある動物血液バンクの悲惨な実態に関するニュースをお届けします。

 動物用血液の販売会社「The Veterinarians’Blood Bank (TVBB)」は、900匹以上の犬や猫を劣悪な環境で飼育し、その血液を動物病院に販売している。動物保護団体PETA(※1)の潜入調査により、そこでは高齢や病気などさまざまな問題を抱えた動物たちからも血液を採取していたことが判明した。

 この施設にいる動物たちの多くはここで生まれ育ち、早ければ生後6か月頃から採血が始まり、それが生涯続く。採血から「引退した」動物たちでさえ、死ぬまで施設に閉じ込められるのだ。

 TVBBは “クローズド・コロニー(※2)” だと主張し、血液製剤を購入しようとする動物病院に安全性を謳っている。しかし、この施設にいる動物たちは、施設で生まれ育った動物たちだけではなく、実際には不特定多数の場所からも多く集められている。例えば、飼い主が見つからない近所の子犬、動物の飼い主募集のネット広告から手に入れた猫、従業員たちが持ち込んだ自身の飼い猫などである。施設のマネージャーは、従業員たちが持ち込んだ猫1匹につき200ドルを支払っていた。新入りの猫たちは屋外の小屋で飼われ、猫ヘルペスウイルスやマイコプラズマなどの感染症検査で陽性反応が出ても血液は使われていた。

 動物血液バンクのガイドラインでは、輸血用血液は健康で汚染されていないことを求め、また血液ドナーになる犬や猫は、8歳前後までと定めている。しかしTVBBでは年齢制限を設けていなかった。動物病院で動物がTVBBから購入した輸血を受ける場合、その血液が病気、ケガ、高齢、投薬中の動物から採取された可能性が高く、採血される側と輸血される側両方の動物の健康が危険にさらされている。

 TVBBでは、約3週間ごとに犬から約15オンス(約444ml)、猫からは約2オンス(約59ml)を採血する。この量は動物病院での血液検査で採取される量に比べてはるかに多い。人間に例えると、2か月に1回程度の献血で提供する1パイント(約473ml)の血液に匹敵する。採血により、人間と同じく犬や猫も疲れや吐き気を感じる。生涯小さな檻に入れられ、3週間ごとに1パイントの血液を採取される生活を想像してみてほしい。