英王室を揺るがした"性犯罪事件"。アンドルー王子の「大惨事すぎる」インタビューの裏側とは? 当時の関係者たちが明かす

AI要約

2019年のBBCのNewsnightで行われたアンドルー王子のインタビューは、性犯罪やエプスタインとの関係についての苦しい質問に直面し、大きな影響を受けた。

インタビュー後、王子は公務から引退し、称号も手放すことになった。2022年にエプスタインの被害者と和解した。

映画『グレート・スクープ』では、インタビューを成功させたプロデューサーの努力とアンドルー王子の問題に焦点が当てられている。

英王室を揺るがした

2019年にBBCの「Newsnight」で行われたアンドルー王子のインタビューは、テレビ放送史上、きわめて重大な放送回として語り草になっている。2022年までBBCの司会者を務めたエミリー・メイトリスによる徹底追及のもと、アンドルー王子は、性犯罪者であり、性犯罪による有罪判決後の勾留中に自殺したジェフリー・エプスタインとの交友関係を釈明しようと試みた。しかし世論という法廷において、このインタビューは王子にとって大惨事を招いた。

当時17歳の少女、ヴァージニア・ジュフリーと性的関係を持ったとされる日には「娘をピザ・レストラン(ピッツァ・エクスプレス)に送って行った後、夜は自宅で過ごした」というアリバイ工作と、ナイトクラブで一緒に踊った後、王子は汗だくになったというジュフリーの証言に対し、「当時、何らかの医学的な症状で発汗できなかった」という苦しまぎれの反論によって、王子の否定は覆い隠された。

このインタビューはアンドルー王子の人生を変えた出来事になった。放送後24時間以内に王子は公務から退くことになり、その後すぐ軍と王族の称号を手放すことになる。2022年、王子はエプスタインの被害者であり、王子から性的暴行を受けたと主張するジュフリーと和解した(王子はいかなる不正行為も否定しており、声明の中で「エプスタインとの関係を後悔し、ジュフリー氏や他の性被害のサバイバーたちが自身や他の人のために立ち上がった勇気を称賛する」と述べている)。

サム・マカリスターにとっても、これは人生を変える出来事だった。「Newsnight」のプロデューサーとして、そしてこの驚くべき出会いを仲介した “ブッカー”として、アンドルー王子のインタビューは、この元刑事法廷弁護士をテレビの舞台裏で働く者としては珍しいほどの知名度へと押し上げた。このエピソードが放送された後、「Newsnight」のエディターであるエスミー・レンは、マカリスターをメンションし、こうツイートした。

「不屈のインタビュー・プロデューサー、@SamMcAlister1がこの世界的な独占取材を実現した素晴らしい功績をたたえます」

そして今、この物語の全貌を語る『グレート・スクープ』が公開された。

原作はマカリスター。エミリー・メイトリス役にジリアン・アンダーソン、アンドルー王子をルーファス・シーウェルが、そしてマカリスターをビリー・パイパーが演じる。ルーファス・シーウェルは、ほぼ本人と認識できないほどの役作りに挑んだ。この映画はマカリスターと「Newsnight」のチームがいかにして100万ドルの強盗に匹敵するようなジャーナリズムを成功させたのか、また同時に、アンドルー王子にエプスタインとの関係や彼自身の不正疑惑について公の場で説明責任を果たさせたかを描いている。

映画を見た私は、豪華でキッチュなソーホーのホテルのバーでマカリスターに会ったとき、思わず二度見してしまった。彼女はパイパーが演じた役柄そのままだったからだ。満面の笑みを浮かべ、ブロンドのカールをシャンパンのように泡立てて、全身黒ずくめの服を着て、デザイナーズアイテムをちりばめている(弁明しておくが、似ていることに困惑しているのは私だけではないはずだ。『Daily Mail』紙は撮影現場にいるマカリスターと彼女のボーイフレンドの写真を掲載し、そのキャプションに「ビリー・パイパーと“見知らぬ俳優”」とつけてしまったほどだ)。