「もっと新聞って、できることある」 休刊惜しむ声に元女性従業員らが新たな情報紙創刊

AI要約

地域情報紙「真岡新聞」が休刊した際、元従業員らが新会社を設立し、新たな新聞「もおか新聞Plus」を創刊した。クラウドファンディングも開始し、復刊を果たした。

新聞を愛する女性従業員らが中心となり、資金面での苦労も乗り越えて新会社を設立。タブロイド判フルカラー4ページの地域情報紙を発行し、地域と共に成長を目指している。

デジタルの時代にあっても紙のぬくもりを大切にし、地域の魅力や話題を取り上げながら、次の40年を見据えた紙面づくりに取り組んでいる。

今年3月で休刊した地域情報紙「真岡新聞」(栃木県真岡市)の元従業員らが新会社を設立し、新たな新聞を創刊した。紙媒体を取り巻く経営環境の厳しさが指摘される中、紙にこだわり事実上の復刊を成し遂げた従業員ら。地域の情報紙を守り、長く安定して読者に新聞を届けたいと、クラウドファンディングも開始した。

■突然の休刊に「絶望感」

創刊したのは「もおか新聞Plus」で、発行するのは旧真岡新聞の女性従業員らが中心となって設立した株式会社「もおか新聞Plus」(真岡市荒町)。スタッフ11人(社員7人)のうち8人が女性。社長を務める飯島万裕さん(39)は真岡市で生まれ育ち、「真岡の魅力を発信したい」と旧真岡新聞に入社。営業、記者、カメラマンのほか、人が足りないときは配達などもこなしてきたという。

「新聞の仕事が好きだったので突然の休刊を知らされたときは茫然(ぼうぜん)自失。絶望感しかなかった」。休刊後、多くの読者やクライアントから復刊を望む声が寄せられ、飯島さんは旧真岡新聞時代の仲間と一緒に創刊を目指してきた。

■地域に寄り添い、共に成長

新会社設立で最も苦労したのが資金面だ。出資者探しに奔走する一方で、仲間とともに自身も出資。会社設立にこぎつけた。

シングルマザーで小学生と保育園児の娘2人を育てる飯島さん。「復刊をあきらめかけたときもあるが、新聞が好きだった娘たちから『どうにかしてママがやれないの』と励まされ、多くの課題を乗り越えることができた」と振り返る。

「もおか新聞Plus」は旧真岡新聞と同じ無料の地域情報紙として出発。6月21日発行の創刊号はタブロイド判フルカラーの4ページ、紙面では真岡鉄道の無人駅、寺内駅にオープンする駅舎カフェなど地域情報紙ならではの話題を取り上げた。創刊にあたり「地域と寄り添い共に成長する新聞へ~次の40年を目指して~」をスローガンに掲げ、決意を新たに紙面づくりを進めている。

■デジタルの時代だからこそ、紙のぬくもりを