「今まで正常値だったのに。血圧が170 の高さに!」もしかして怖い病気? 50代女性を苦しめた【更年期血圧症】
更年期になると血圧が高くなる原因や特徴についての悩みがある女性の事例を紹介しました。
更年期高血圧の原因は主に女性ホルモンの低下による血管の柔軟性の低下であり、ストレスや睡眠不足などが血圧変動を引き起こす可能性があることを述べました。
次の段階では更年期の血圧をコントロールする方法について紹介しています。
「若いときは低かった血圧が、急に高くなった」といった悩みはありませんか?
日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。
更年期にはからだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。
更年期女性の悩みのひとつに「高血圧」があります。
今回は、更年期高血圧の対策法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
亮子さん(51歳)は、50代になって血圧が高いことが気になるようになってきました。
「直近の主婦健診の血圧は下が90で上が140と高めでした。『最近、食生活が乱れていたかしら』『さすがに運動不足かな』と思ってはいたのですが……」
今まで高血圧を指摘されたこともなく、それほど血圧を気にしていなかったという亮子さん。
「風邪で受診をしたときに血圧を測ったら、なんと170。びっくりすると同時に、このまま放置して大丈夫なのか急に不安になってきたんです」
亮子さんは、血圧計を購入して自宅で血圧測定をするようになりました。
「測るたびに血圧がバラバラ、安定しないんです。しかも、何かするたびに『血圧が上がるんじゃないか』と不安になって、食べ物もおいしくないし、毎日が楽しめなくなって……」
気が滅入って憂うつそうな亮子さんの姿を家族も心配するようになっていきました。
若い頃は血圧が低めだった場合でも、更年期になると血圧が高くなる可能性があるため注意が必要です。
1.更年期に血圧が高くなる原因
更年期に血圧が高くなるのは、女性ホルモンであるエストロゲンの低下が原因と考えられています。エストロゲンは血管を拡張させる働きがあるため、減少すると血管の柔軟性が低下して血圧が上がりやすくなってしまいます。
また、血管の収縮や拡張に関わる自律神経がエストロゲンの減少により乱れると、血圧のコントロールが不安定になるのです。
2.更年期血圧症の特徴
更年期高血圧は、血圧が不安定で変動しやすいという特徴があります。ストレスやイライラ、睡眠不足といったことがきっかけで血圧が変動することもあるのです。
更年期は女性ホルモンの変化だけでなく、家庭や職場といった環境や社会的な役割の変化、ストレスも重なりやすい時期のため、血圧変動しやすいとされています。
つづき▶この記事の【後編】を読む▶更年期の血圧をコントロールする方法は?