ルイ・ヴィトン「エスカル」に3針ウオッチが登場 |スタンダードモデルに昇華された“旅の真髄(こころ)”

AI要約

ルイ・ヴィトンは、ウォッチコレクション「エスカル」の10周年を記念し、新たなモデルを発表。これまでの複雑機構モデルとは異なり、シンプルな3針モデルが登場。

ルイ・ヴィトンの歴史と職人技を反映した新作は、トランク製造の要素をダイヤルやケースバックに取り入れ、ラグジュアリーな雰囲気を演出。

自社製自動巻きムーブメントを搭載し、ルイ・ヴィトンのモチーフやヘリテージが現代性と調和。次世代に受け継がれる家宝時計のポテンシャルを秘めた作品。

ルイ・ヴィトン「エスカル」に3針ウオッチが登場 |スタンダードモデルに昇華された“旅の真髄(こころ)”

ルイ・ヴィトンは、ウォッチコレクション「エスカル」の10周年を記念し、新たなモデルを発表しました。「エスカル」は2014年に誕生したコレクションであり、これまでは複雑機構搭載モデルのみの展開でしたが、今回はシンプルな3針モデルです。時・分・秒という基本構成に「エスカル」の美学を凝縮した、奥深い仕上がりとなっています。

文/土田貴史

1854年の創業以来、革新的な旅行用トランクで世界中の旅行者を魅了してきたフランスの老舗ラグジュアリーブランド、ルイ・ヴィトン。時を経て、バッグや財布などの革小物、プレタポルテ、シューズ、時計など、ラインナップを大きく広げてきました。そのなかで一貫しているのは「旅」へのこだわり。ルイ・ヴィトンのクリエーションの源泉には、常に“旅の真髄(こころ)”があります。

旅が自己発見の道となるとき、目的地への到達は二の次となり、旅そのものが最も重要になります。「エスカル」とは“寄港地”を意味するフランス語ですが、この寄港地とは単なる通過点ではなく、心に残る思い出と発見に満ちた場所を象徴しています。

新作は、トランク製造で培われたルイ・ヴィトンの歴史と、その職人技が現れています。ケースラグはトランクを補強する真鍮製のブラケットを連想させ、ダイアルにもその要素が反映されているのです。ローズゴールドモデルのダイアルは、モノグラム・キャンバスの質感を再現。一方、プラチナモデルには希少な素材と宝石が用いられ、ラグジュアリーな雰囲気を気高く演出しています。

また、各モデルのケースバックには、「カルトゥーシュ」と呼ばれる楕円形の銘板が取り付けられています。これは、ルイ・ヴィトンのトランクに付けられた、固有のシリアルナンバーを刻印したプレートへのオマージュ。「エスカル」の新作でも、このカルトゥーシュにシリアルナンバーが刻まれ、裏蓋にリベット留めされています。

そして搭載するムーブメントは、2023年に「タンブール」で初めて採用された自社製自動巻きムーブメント「キャリバーLFT023」。こちらはムーブメント専門メーカー「ル・セルクル・デ・オルロジェ」 とルイ・ヴィトンのウオッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が設計したものです。コンテンポラリーな外観で現代性が強調されていますが、その一方で、ルイ・ヴィトンのモチーフがあしらわれた香箱カバーと22Kローズゴールド製のマイクロローターを通じて、メゾンのヘリテージを表現していることにお気づきでしょうか?

特別な時計は、大切に使い込むほどに持ち主との絆を深めていきます。「エスカル」の新作は、ルイ・ヴィトンの旅の歴史と、職人の情熱と技が注ぎ込まれた唯一無二の時計。これを愛で、次の代へと引き継ぐことは、ルイ・ヴィトンの精神を未来へと伝えることにもつながります。「エスカル」は、次の世代へと語り継がれる“家宝時計”となるポテンシャルを秘めた新作です。

PHOTO CREDIT:LOUIS VUITTON