都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…(ラサール石井)

AI要約

都知事選の結果が出た。投票率上昇は良かったが、蓮舫推しの筆者にとっては残念な結果だと述べる。

驚いたのは石丸伸二氏の2位入りであり、若者の支持を得たことが注目される。

石丸氏の過去の問題行動や選挙後のインタビューについても批判的な内容が続く。

都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…(ラサール石井)

【ラサール石井 東憤西笑】#272

 都知事選の結果は出た。投票率が上がったことは良かった。その上での結果だ。これが民意なのだから仕方がない。蓮舫推しであった私には残念至極だ。

 しかし驚いたのは石丸伸二氏の2位だ。165万票、無党派層の4割。とくに若者を惹きつけた。蓮舫氏の街宣の人の集まり具合は凄かったが、どうやら今はそういうことではないらしい。途中抜け出した大学生は「話が難しくてわからない」と言った。Z世代は「政治的な話や党派対立を嫌う」とも言われる。いや政治家の演説で政治的な話をするなと言われても、と思うが石丸氏はそれを実践した。

 最後の街宣を聞いたが、政策の話など一切ない。自分の生い立ちや頑張ってきた話。まるで夏フェスのエンディングだ。私には気持ち悪いが聴衆は酔っていた。

 以前からXには過去の安芸高田市の市議会の様子などが流れていた。随分パワハラ体質の人だなと思った。実際に、ある議員とは訴訟になり、敗訴している。他にも選挙のポスターの印刷代金100万余を公費で賄える30万しか支払わず、印刷会社から訴えられこれも敗訴し支払いを命じられた(判決は7月5日。だがマスコミは選挙翌日の8日に一斉に報じた。えー⁉)。

 そして選挙後のインタビューがひどかった。まず質問に必ず顔をしかめ時間を置く。質問がとんちんかんだと言わんばかりに。そして難癖をつける。質問者がひるむとここぞとマウントを取る。不毛な会話が続く。どの局もこの連続。

 ただTBSラジオの荻上チキ氏と武田砂鉄氏はかなり頑張った。どう見ても石丸氏がおかしく異常に見えたと思うのだが若者は違うらしい。そもそも彼らはテレビも見ないしXも見ない。

 見るのはショート動画とYouTube。そしてそこには石丸氏を称えるような動画ばかりだ。

 映画は倍速で見る、ギターソロは飛ばす、長い本は読めない、という若者たちのスマホに、検索しなくても石丸氏のカッコいいショート動画が現れる。一度見たら同じようなものをAIが選んでどんどん見せてくる。

 そこで興味を持ったから自分でもっと調べてみよう、他の人と比べてみよう、などということはしないんだな。文句なく飛びつくんだ。

 水道橋博士によると、まだ12歳のジャーナリスト、中学生新聞くんが「この人、厨二病ですね」と言ったそうで。中1に言われるって。

 しかし思えば過去にも、小泉純一郎や橋下徹に熱狂し、騙されていた時期がある。学ばないなあ我々は。

(ラサール石井/タレント)