子どもの語彙力を伸ばす<家庭での会話> 親子の役割交換や社会的なテーマの話し合いで、自主的に言葉を使う環境づくりを

AI要約

竹内明日香さんによると、学校や入試問題において、子どもたちの自身の意見を問う設問が少ない傾向が続いている。

竹内さんは子どもたちの話す力を育てるための活動を行っており、家庭でできる子どもの話す力を育てる方法を紹介している。

語彙力は思考力に直結し、子どもが自発的に言葉を使う環境が重要である。

子どもの語彙力を伸ばす<家庭での会話> 親子の役割交換や社会的なテーマの話し合いで、自主的に言葉を使う環境づくりを

プレゼンアドバイザーの竹内明日香さんによると、学校の国語のテストや入試問題において、<子どもたち自身の意見>を問う設問が少ない傾向が続いているそう。このような状況のなか竹内さんは、子どもたちの「話す力」を育てるための講演や授業を全国で行っています。そこで今回は、竹内さんの著書『話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』より、家庭でできる子どもの「話す力」を育てるメソッドを一部ご紹介します。

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◆語彙力が思考の解像度を上げる

プレゼンの場面で自分の「イイタイコト」を伝える時には、聞いている人が理解しやすいよう、できるだけわかりやすい言葉を使うことが求められます。

しかし、プレゼンを作り上げる過程で考えを深めていく時や、「本当にイイタイコト」を探す時などに、とても大切な力となるのが語彙(ごい)力です。

保護者の方の中には、お子さんとお話しされながら、「ちょっと話の流れがよくわからないな」と感じたことのある方もいらっしゃると思います。

特にお子さんがまだ小学校低学年くらいですと、複雑な状況や人間関係などを言葉で説明することはまだ十分上手にできず、聞いている人にはわかりづらく感じられることがままあります。

お子さんがうまく物事を説明できない原因は、語彙力の不足の場合が多分にあります。

身のまわりで起きたことを細かく描写したり説明したりするには、その世界をどれだけ言葉で認知しているかがポイントになるからです。

さらに、頭の中に、どれだけの数の単語やフレーズ、言い回しなどが、「使える状態」で存在しているか。

これは、思考力にも直結します。

自分の気持ちや考えを、言葉を使ってわかりやすく表現することは、人とのつながりを築き、豊かに生きていく上で欠かせません。

これらすべての基礎になるのが語彙力なのです。

発達心理学・認知心理学の分野で著名な内田伸子さんの研究などによって、幼児期は、一斉保育で先生から教えられるよりも、自発的に遊び、行動する環境の方が語彙を獲得しやすいことが明らかになっています。

つまり、語彙力を伸ばすには、お子さんが「自主的・自発的に言葉を使う」工夫や環境が重要なのです。

そこで、これらを踏まえて、ご家庭で取り組みやすく、なおかつ効果の高い、語彙力を伸ばす方法をお伝えします。