「結婚生活は本当に得なのか」の最終結論…和田秀樹「若さを保ち豊かな晩年を過ごす」ために捨てるべき考え

AI要約

60歳を過ぎて夫婦間で意見の相違が出た場合、医師の和田秀樹さんは夫婦で話し合い、関係改善を図ることを提案している。

長年連れ添った夫婦でも老後になると価値観が変わり、互いに譲りたくない意見が出てくることがあり、それがイライラやストレスの原因になり得る。

夫婦の距離をとることでストレスを軽減し、前頭葉の働きをよくし脳の老化も予防できるという。

60歳を過ぎて夫婦間で意見の相違が出たらどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「60歳を越えると、目指す人生の違いは顕著になってくるため、2人でよく話し合って関係の改善を図るべきだ。離婚するほどではないけれども、一緒にいるとお互いにイライラが募る場合は、家の中でひとりに一つ自室を持ち物理的に離れるといい。夫婦の距離をとることでストレスが減り、前頭葉の働きもよくなるから脳の老化も予防できる」という――。

 ※本稿は、和田秀樹『死ぬまでひとり暮らし 死ぬときに後悔しないために読む本』(興陽館)の一部を再編集したものです。

■長年連れ添った夫婦でも、老後を迎えると価値観は変わるもの

 長年連れ添った夫婦の間で、ミスマッチが起こることは少なくありません。

 たとえば、時間的に余裕が出てきたあなたは、ひとりで色々なところに旅行に行きたい。食事も、これまでガマンしてきたこってりしたラーメンや味の濃い炒め物などが食べたい。どうせ死ぬんだから、これからは自由に生きていきたい。そう考えていたとします。

 対して、妻のほうは、これからは2人でいつも一緒に過ごしたい。一日中家でおしゃべりをしたい。少しでも長生きしてもらいたいから、さらにヘルシーな料理をつくりたい。そう考えていたとします。

 60歳を過ぎたあたりから、こういった目指す人生の違いは顕著になってくるものです。しかも、お互いに譲りたくないのです。

 こうなってくると「一緒にいるとイライラする」となってきます。世間では夫源病などといって、夫の言動が原因で、妻がストレスを感じ、心身に不調をきたすという問題が取り沙汰されています。

 なぜ、夫が源の場合の話ばかりなのでしょうか。逆の場合も当然あります。責任を押し付け、支配してくる妻にストレスを感じている夫も世の中には大勢いるのです。

 これからはガマンせず、2人でよく話し合って関係の改善を図りましょう。