がんが見つかることも!「検尿」で引っ掛かったらこの病気を疑え

AI要約

尿検査の重要性と陽性率について述べられている。

定性検査の限界と、より詳細な検査方法について説明されている。

尿潜血検査結果の陽性に対する対応についてアドバイスがされている。

がんが見つかることも!「検尿」で引っ掛かったらこの病気を疑え

 毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。

 BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。

 『健診結果の読み方』連載第31回

 『50歳以上の男性の5%は″ヤバい”糖尿病にかかっている…あなたは大丈夫? 健診票の尿検査を「正しく」読む方法』より続く

 検尿の項目に「尿潜血(BLD)」が入っている職場もあります。尿に、肉眼では確認できない微量の血液が混じっている状態です。

 目で見て赤くなっていれば、「血尿」と呼ばれます。溶けている血液量の違いだけですが、真っ赤なオシッコが出れば、大抵の人は驚いてすぐに病院に駆け込むはず。だから健診ではじめて血尿が見つかることは、あまり多くありません。

 健診では検査紙を用いた定性検査が行われます。尿糖の試験紙と見た目は同じような試験紙の先端を、尿に浸して色の変化を色見本と見比べて判定するわけです。「-」は陰性ですが、「+-」と「+」は要注意で、「2+」以上が陽性という判定になります。

 陽性率は、20代で男性約2パーセント、女性約4パーセントですが、年齢とともに上がっていき、中高年では男性約10パーセント、女性約20パーセントとされています。

 この陽性率はスクリーニング検査としてはかなり高めで、逆に言えば陽性でも病気とは限らない、とも言えます。また軽い尿道炎や膀胱炎で陽性になることもあります。女性が男性より陽性率が高いのは、痔や生理の影響があるからとされています。また男女とも、激しいスポーツの後では陽性になることがあります。

 定性検査はあまり当てにならないことから、病院の検査では、尿を顕微鏡で観て、赤血球が浮かんでいるか、またその数はどのくらいかを調べますし、尿中のヘモグロビン量なども測ります。

 健診の尿潜血検査で陽性となっても、思い当たる原因があれば、あまり気にする必要はないかもしれません。しかし3+だったら、さすがに病院に行くべきです。