「コレステロール=悪玉とうそぶく奴こそ悪玉だ」和田秀樹が指弾するフェイク情報で儲けるTV界の裏の2大ワル

AI要約

健康サプリが健康被害を引き起こし、死者が出た紅麹コレステヘルプ事件についての矛盾について解説されています。

日本人が信じ込んでいた健康常識が幻想であることを示す象徴的な事件であり、健康情報を注意深く選択する必要があることが説かれています。

健康を守るために必要な情報を正しく見極め、自らの健康を守る必要があると強調されています。

■健康サプリで死者が出るという矛盾

 間違い1 サプリは健康にいい

 社会を震撼させた「紅麹コレステヘルプ事件」は、皆さんの記憶にも新しいことでしょう。紅麹コレステヘルプは、家庭用医薬品や生活用品などで知られる小林製薬のサプリメントで、常用していた人の腎機能障害などの健康被害報告が相次いだのです。

 厚生労働省の発表によれば、2024年4月23日時点で延べ252人が入院し、紅麹コレステヘルプが原因と疑われる死亡例も、5件発生しているようです。小林製薬が、紅麹コレステヘルプを含む5製品の自主回収を余儀なくされたほか、同社から紅麹成分を供給された食品メーカーが調査に追われるなど、日本中が混乱に陥りました。

 問題となった紅麹とは、中国酒の「紅酒」や沖縄県の特産品「豆腐よう」の製造、食品の「赤い色素」などに使われている「麹」の一種。成分には、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める「LDL(悪玉)コレステロール」を、減らす効果があるとされています。紅麹コレステヘルプは、その成分を含んでいるため、「コレステロールの低減が期待できる」と謳(うた)っていたわけです。

 健康のために摂っていたサプリが、逆に死を招いてしまったというショッキングな事件ですが、実は、「サプリなら何でも、健康づくりに役立ち害がない」という、日本人が信じ込んできた「健康常識」が、“幻想”だったことを示す、象徴的な事件とも言えるでしょう。

 紅麹コレステヘルプは、「機能性表示食品」で、国が有効性や安全性を認めた「特定保健用食品(トクホ)」ではありません。機能性表示食品は、有効性や安全性の根拠に関する情報などを消費者庁に届け出れば、事業者の責任で機能性を表示できます。言い換えれば、「コレステロールを減らす」という効果についても、安全性についても、国は「お墨付き」を与えていないわけです。

 医療用医薬品であれば、処方した医師が、服用後の患者さんの健康状態をチェックしますが、サプリの場合、1日の摂取目安量は表示されていても、ユーザーが「自己判断」で量も増やせるし、使い続けることもできるので、健康状態が悪化するまで気づかないことが多く、危険なのです。

■健康常識はなぜ、疑うべきか

 にもかかわらず、紅麹コレステヘルプは、累計100万個以上を売り上げたというヒット商品でした。大々的なCMで、「コレステロールが減りそう」というイメージを刷り込まれ、健康診断のせいでコレステロール値を気にしている人が、多く買い求めた結果でしょう。

 とはいえ、もっと罪深いのは、サプリメーカーから巨額の広告費をゲットし、国民を洗脳する「お先棒」を担いだテレビ局です。小林製薬を批判する資格はありません。

 テレビ局などのマスコミの多くが垂れ流す健康情報は、スポンサーによる「カネの力」で歪められています。鵜呑みにしないでください。正しい健康情報を自分で見極め、わが身を守るしかありません。

 さらに言えば、そもそも「健康を守るため、コレステロールを減らす」という健康常識そのものが、大いなる誤りなのです。そのことについては、次の章で詳しくご説明しましょう。

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新常識1 安全性は保証されていない。死亡事故も

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