「ああ、あの高いラーメン屋さんね」 地元客に「高い」と噂されたラーメン店が10年経っても愛され続ける理由

AI要約

渋谷修一さんは埼玉県久喜市にある人気ラーメン店「中華そば 輝羅」の店主であり、埼玉の鶏白湯ラーメンの代表店として知られる。

渋谷さんは横浜家系ラーメンにハマり、20歳で埼玉に帰郷後もラーメンの食べ歩きを続け、熱心なラーメンファンとして知られている。

ラーメン好きが高じて26歳で独立を決意し、麺処慶で修行を積んだ渋谷さんは、鶏白湯ラーメンの名店で修行し、自らも鶏白湯の名店を目指すことを決意した。

「ああ、あの高いラーメン屋さんね」 地元客に「高い」と噂されたラーメン店が10年経っても愛され続ける理由

 日本に数多くあるラーメン店のなかでも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、その店主が愛する一杯を紹介する本連載。今回は埼玉で唯一無二の油そばを提供する名店「Handicraft Works(ハンディクラフト ワークス)」の店主・鶴岡祐介さんの愛する名店「中華そば 輝羅」をご紹介する。

 埼玉県久喜市菖蒲町。県道12号川越栗橋線沿いに一軒の人気ラーメン店がある。「中華そば 輝羅」である。濃厚な鶏ラーメンが大人気の店で、埼玉の鶏白湯ラーメンの代表店としても知られる。

 店主の渋谷修一さんは埼玉県桶川市の出身。高校時代は横浜に住んでいて、横浜家系ラーメンにハマった。当時はラーメンブームのど真ん中で、「六角家」が特に好きだったという。

 20歳で地元・埼玉に帰ってきてからも、引き続きラーメンの食べ歩きをしていた。大和田にあった「支那そば 天風」(現在は東鷲宮で「煮干そば とみ田」として営業)や上福岡の「麺屋 一鶴」(現在は富山県に移転)によく通っていた。

 その後就職をし、工場で勤務をしていたが、リーマンショックの影響で会社が傾き、将来が不安になる。26歳の頃、妻と2人で店をやろうかと話し合ったという。

 大好きなラーメンで独立をしたいと、上尾市にある人気店「麺処 慶」で修行させてもらうことにした。札幌味噌ラーメンの横綱「純連」の出身店で、濃厚な味噌ラーメンを提供していた。ここで一年間基本をみっちり教えてもらった。

 ここから渋谷さんは、独立するなら「鶏白湯」の店にしたいと考えるようになった。千葉県成田市にある「鶏の骨」のラーメンに衝撃を受け、鶏白湯に魅せられたのだ。

「鶏白湯の独特なクリーミーさは豚骨にはないものです。初めて鶏白湯を食べたときの衝撃は大きく、『これもラーメンなんだ!』と驚きました。単純に自分の好きなラーメンを極めてお店を作りたいと考えるようになり、鶏白湯の名店で修行をすることにしました」(渋谷さん)