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詐欺防ぐ「次世代ATM」登場か? 2030年にセブン銀行が導入へ
セブン銀行は次世代ATMの共同研究を開始した。2030年前後の投入時期に向け、北海道大学や釧路高専との連携を強化する。
次世代ATMの具体的な機能や仕様は未定だが、顧客体験やAI技術を活用した新たな取り組みが期待されている。
研究テーマには認知心理学やセンシング技術などが含まれ、次世代ATMの進化に向けたアイディアが模索される。
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セブン銀行は5月31日、次世代ATMの創造を視野に入れた共同研究を北海道大学と釧路工業高等専門学校(釧路高専)と開始したと発表した。
31日の会見に登壇したセブン銀行の松橋正明社長は次世代ATMの投入時期について「2030年前後」とし、これから1年間は北海道大学や釧路高専と連携し、現状の課題の洗い出しを含めた研究を進める。
気になるのは次世代ATMの全容だろう。
ただ、「2030年前後」という目標設定からも分かるとおり、まだ具体的な機能や仕様が決まっていない。松橋氏自身も「実は決め切っていない」と述べており、まだ検討・探索期間だとする。
方向性としては、「学術的な知見を入れて使い勝手を向上させる」ことと、「両校のフィールドを借りて、社会の変化を取り入れる」(いずれも松橋氏)ことだと説明した。
研究テーマは以下の4つで、具体的な機能というより、現状の改善や、新機能のもとになるアイディアをうむことが期待されている。
認知心理学からアプローチする顧客体験(北海道大学)
新たな端末操作インターフェイス創造(北海道大学)
AIと画像認識に予兆行動解析(北海道大学)
センシング技術による安心空間の実現(釧路高専)
会見に登壇した北海道大学の山本雅人教授は、自身の研究テーマ「AIと画像認識に予兆行動解析」が次世代ATMに与える可能性について言及した。
山本教授は「(振り込め詐欺などにあっている)何らかの意図を持った人の振る舞い」や「出金しに来ているのに現金を取り忘れる人の振る舞い」などを検知して、何らかの通知や案内をする機能に役立てる可能性を示唆した。
また、松橋氏は「(次世代機は)ひょっとするとATMという名前じゃないかもしれない」とした。
ただし、以前からセブン銀行は「最後のキャッシュの守り手」だとうたっており、次世代ATMでも現金は取り扱うと説明した。