中国、2035年までに月の南極に基地建設–50年頃にネットワークを構築

AI要約

2035年までに月の南極に基地を建設する中国の計画が進行中であり、ILRS(International Lunar Research Station)の構想が発表された。

ILRSは、2030年から2035年までに5回の超大型ロケットを打ち上げ、無人で稼働する月面基地を築く計画であり、50カ国の参加を目指している。

ILRSは2035年に南極近くに基地を建設し、その後2050年までに月軌道を周回する宇宙ステーションや通信ネットワークを構築する予定である。

中国、2035年までに月の南極に基地建設–50年頃にネットワークを構築

中国が2035年までに月の南極に基地を建設する計画だと、国営通信社の新華社が報じている。

 中国は2021年6月に、ロシアと共同で主導する月面基地「国際月面研究ステーション(International Lunar Research Station:ILRS)」の構想を発表。2030~2035年に5回の超大型ロケットを打ち上げ、無人で稼働し、必要なときには人間が遠隔で操作する月面基地を建設する計画を明らかにした。50カ国の参加を目指している。

 中国東部の安徽省で開かれた第2回国際深宇宙探査会議では、ILRSの詳細な2段階の計画が明らかにされた。それによれば、第1段階の“基本モデル”は2035年頃に月の南極付近に基地を建設することで完了する。

 第2段階では、月の軌道を周回する宇宙ステーションを中央ハブとして、基本モデルとして建設された南極の基地と月の赤道と裏側を結ぶネットワークである“拡張モデル”を2050年頃までに構築する予定だという。

 ILRSは太陽光や原子力電池、原子力発電機で稼働する。月と地球を結ぶ通信ネットワークや月面での高速通信ネットワーク、加圧式と非加圧式の有人探査車(ローバー)などのインフラも整備される。ILRSの拡張モデルは、将来の火星探査にも役立つという。