ゲーミングには欠かせない重要パーツ、MSI製カードに見る“ビデオカード”高性能化の歴史

AI要約

GPUのクーラーの進化について紹介。MSIの歴代クーラーを振り返る。

GPUの冷却の重要性が増し、大型化と強化が進む。

最新のTRI FROZR 3Sを搭載するビデオカードの登場と、過去からの進化を紹介。

ゲーミングには欠かせない重要パーツ、MSI製カードに見る“ビデオカード”高性能化の歴史

 CPUと同様にとくに冷却が重要なGPU。GPUの高性能化の歴史は、ビデオカード製品の高性能化の歴史でもある。本誌でもたびたび登場するMSIだが、おなじみとなった「〇〇 FROZR」クーラーが初めて登場したのは2009年。この頃からすでに現在の大型ビデオカードの片鱗を感じさせる。複数本のヒートパイプでGPUの熱を吸い上げて、大きなヒートシンクとファンで放熱する基本的な構造は、初代TWIN FROZRでも同様。外観は今に比べるとずいぶんシンプルだ。

 GPUブースト機能が搭載されたGeForce600シリーズからはビデオカードの冷却の重要性が今まで以上に高まり、クーラーは徐々に大型化。ガッツリ冷やして電力を供給すればクロックがぐっと伸びるため、電源回路を通常よりもさらに増強した製品も現われた。

 トリプルファンのクーラーが増えたのはRTX 20シリーズの頃。ワットパフォーマンスも優秀な当時のGeForceだが“冷やせば回る”のでクーラーは引き続き強力に進化。RTX40では3代目のTRI FROZRへと歩みを進めている。なお、デュアルファンのTWIN FROZRは現在9世代目に突入している。

■ 現役最高峰GPUを冷やすTRI FROZR 3Sが登場

 RTX 40系はとにかくデカいビデオカードが多い。MSIではRTX4090 SUPRIM Xが最大級で、3代目TRI FROZRの“S付き”タイプを搭載する

■ 昔はこんなに小さくてスッキリ

 AKIBA PC Hotline!の検索でヒットした最古のMSI製カード。1スロット厚で小さなファンを搭載する

■ 初代TWIN FROZRは2009年に登場

 今につながる初代は「N285 GTX SuperPipe OC」。5本のヒートパイプとデュアルファンという基本構造は当時から。シンプルでカッコいい!?

■ GPUブースト実装で冷却がより重要に

 Kepler世代(GeForce 600)は、現在のGPUでも用いられているGPUブーストを初搭載。TWIN FROZRは強化が進んだ3代目に

■ 大型化が進んで高さが増した5代目

 4代目のデザインを発展させたかのようなTWIN FROZR Vは「これがMSIのビデオカードだ!」とその印象を強く記憶に刻み込むものだった

■ 強OC「Lightning」もTWIN FROZR

 GTX 680 LightningはTWIN FROZR Ⅳを採用。背面に増強電源回路「GPU Reactor」を搭載。胸にリアクターを持つ鉄の男の劇場映画第3弾の前年、2012年に登場

■ 3連ファン仕様のTRI FROZR

 GPUの高性能化はさらに進み、写真の「GTX 1080 Ti Lightning X」やRTX 20系上位モデルがトリプルファン仕様のTRI FROZRを採用

[TEXT:編集部 内田泰仁]