光を集める工夫を凝らしたニコン新本社、レンズのかけらが床材に使われていた!

AI要約

ニコンの本社が西大井に戻ってきた。光を活かした明るい建物内には多様な働き方ができるスペースが用意され、自由な働き方をサポートする仕組みも整備されている。

クリエイティブな設計やニコンらしい要素が見られる一方、建物内にはレンズのかけらを用いた床材など、ニコンらしさを感じさせる工夫もある。

ニコンミュージアムの設立計画も進行中であり、新たな展示内容や工夫が期待されている。

光を集める工夫を凝らしたニコン新本社、レンズのかけらが床材に使われていた!

ニコンの本社が、西大井の“ゆかりの地”に戻ってきました。意外にも、ニコンカメラを連想させるデザインや造形はありませんでしたが、1つだけニコンならではのものを発見。製品基準に至らなかったレンズを砕いてアクセントとした、キラリと光る床材でした。もしかすると、あのNoctやPlenaになれなかったレンズの一部もあるかもしれません…!?

■明るい執務室は働きやすさを最重視

新たに建てられたニコン本社は、100年以上にわたって拠点を構えた、大井町駅からつながる「光学通り」沿いにあります。東西に長い新本社のコンセプトは「City of Light」。新本社移転のプロジェクトを担当したニコンの大村泰弘氏は「ニコンは一貫して光の可能性に挑んできた会社。光が集まる街のような建物にしたいと考えた」と語ります。

光を集める工夫が、外観で象徴的な大きなひさし。ひさしは、主に建物内に差し込む直射日光を遮る役目を持ちますが、ひさしに反射した光が反射して建物内の天井に当たり、その光が建物内を明るくする、という仕組みです。

そのように明るい建物内は、多様な働き方ができるようにしています。デスクがズラッと並んだ執務室以外に、おしゃれな家具を備えた場所や、大きな階段の脇に腰掛けられる場所、外の空気を吸って気分転換しながら働ける屋外など、多彩な執務スペースを用意。働く場所を社員ひとりひとりが自由に選べるだけでなく、部門の垣根を越えてさまざまな人と横のつながりを生み出せるように工夫。「会議室がなければ話し合いができない、をなくしたかった」(大村氏)

自由な働き方をサポートするために、さまざまな場所に可搬型のモバイルバッテリーを用意。デスクから離れても、ノートPCのバッテリー切れを気にせず業務に集中できるようにしています。

■来館者もくつろげる大階段と、レンズのかけらを用いた床材は必見

これまで紹介した新本社の執務スペースは関係者以外入室禁止となっていますが、一般の人が自由に入れるスペースも存在します。その1つが、ニコンファン期待の新生ニコンミュージアムです。2024年秋の開館予定なので詳細は公開されていませんが、「展示スペースは品川の時よりも少し広くなる。展示内容も品川とは異なる工夫を用意する」とのことで、品川に足繁く通った人も新鮮に楽しめるミュージアムとなりそうです。