2024年8月パッチのデュアルブート破壊問題、Microsoftが復旧方法を明らかに

AI要約

2024年8月に発生したWindows/Linuxデュアルブート環境の問題に関するワークアラウンドが米Microsoftにより公開された。

問題は、セキュリティ更新プログラムの適用によりWindowsとLinuxのデュアルブート環境が壊れる可能性があることであり、対象プラットフォームも明示されている。

問題を緩和する方法や復旧手順が示されており、セキュリティ設定についても詳細が記載されている。

2024年8月パッチのデュアルブート破壊問題、Microsoftが復旧方法を明らかに

 2024年8月パッチの適用でWindows/Linuxデュアルブート環境が壊れる問題に関し、米Microsoftは8月22日(現地時間)、追加のワークアラウンドを公開した。OSを再起動してパッチの適用を完了したあとも、デバイスを復旧できる可能性がある。

 この問題は、2024年8月のセキュリティ更新プログラムを適用すると、WindowsとLinuxのデュアルブート環境が壊れることがあるというもの。セキュリティ強化のために「Secure Boot Advanced Targeting」(SBAT)と呼ばれる設定を変更して古い脆弱なブートマネージャーをブロックする処理が、本来適用されるべきではないデュアルブート環境にも設定されてしまう可能性があった。最悪の場合、Linuxを起動(ブート)できなくなる。影響するプラットフォームは、以下の通り。

・Windows 11 バージョン 23H2

・Windows 11 バージョン 22H2

・Windows 11 バージョン 21H2

・Windows 10 バージョン 22H2

・Windows 10 バージョン 21H2

・Windows 10 Enterprise 2015 LTSB

・Windows Server 2022

・Windows Server 2019

・Windows Server 2016

・Windows Server 2012 R2

・Windows Server 2012

 問題を緩和するには、パッチの適用を完了する前にSBATの変更をオプトアウトレジストリキーをインストールするのが有効。

reg add HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥SecureBoot¥SBAT /v OptOut /d 1 /t REG_DWORD

 パッチの適用を完了してしまった場合は、以下の方法でLinux環境を復旧できる。

・セキュアブート(SecureBoot)を無効化する(手順はメーカーによって異なる)

SBATアップデートを削除する

・Linuxを起動して、ターミナルから以下のコマンドを実行する。実行の際はrootパスワードが必要

sudo mokutil --set-sbat-policy delete

・Linuxを再起動するターミナルで以下のコマンドを実行し、SBATの変更取り消しを確認する

mokutil --list-sbat-revocations

・セキュアブートを再度有効にする

Linuxを起動し、以下のコマンドでセキュアブートのステータスを確認する

mokutil --sb-state

・セキュアブートが有効ならばOK。無効ならば手順4を再度実行する

Windowsで今後のSBAT更新を防止する。管理者権限で以下のコマンドを実行

reg add HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥SecureBoot¥SBAT /v OptOut /d 1 /t REG_DWORD

 ただし、ファームウェア設定を誤って変更すると、デバイスが正しく起動しなくなる可能性がある。十分に手順を確認したうえで、自信のあるユーザーのみが挑戦すべきだ。