ロシア、マイニングや暗号資産建て国際取引を合法化:現地報道

AI要約

ロシア国家ドゥーマが2つの暗号資産関連法を可決。マイニングを合法化し、中央銀行が監督権限を持つ。

暗号通貨マイニングは2024年から法的容認。登録者のみが参加可能で、中央銀行が制限や監視を行う。

中央銀行による特別体制では企業が国境を越えた取引や為替取引が可能に。実験的な制度を導入する予定。

ロシア、マイニングや暗号資産建て国際取引を合法化:現地報道

ロシアを拠点とする政策専門家がCoinDeskに対して報告したところによると、ロシア連邦議会下院(通称:国家ドゥーマ)は現地時間7月30日に2つの暗号資産(仮想通貨)関連法を可決した。ロシアの国営国内通信社リアノーボスチ(Ria Novosti)も報じている。

リアノーボスチの報道によると、一つ目の法律は、2024年11月1日からロシアにおける暗号通貨マイニングを完全に合法化するものだ。デジタル開発省に登録された法人や個人の起業家はマイニングに従事することができるが、登録されていない者は、エネルギー消費量の制限を超えない場合にのみマイニングリグを操作することが許される。

マイニングに対する監視に関しては、ロシア中央銀行が主導的な権限を持つようだが、複数の異なる機関が分かれて行う。

閣僚会議が、マイニングのインフラ事業者の活動に関する要件を独自に策定し、マイニングプール参加者に向けたものなど、その他の要件については、ロシア中央銀行の合意のもと、ロシア政府によって承認されると報じられた。

また、マイナーは、マイニングの結果得られたデジタル通貨に関する情報を政府認可機関に提供する必要がある。

権限を付与された機関および中央銀行は、ロシアの財政が安定を維持できるようにするため、デジタル通貨による取引の禁止または制限を導入する権利を有する。

また、今回の法律により、暗号資産の宣伝や無制限に他者へ提供することも禁止されることになる。

2024年9月1日に施行される2つ目の法律は、特別な実験的制度であり、認可された企業が国境を越えた決済やデジタル通貨での為替取引を行うことを認める権限をロシア中央銀行に与えるものである。

企業、取引所、暗号資産に関する事業体が、この実験的な体制に加わるためには中央銀行に申請する必要がある、とキック・エコシステム(Kick Ecosystem)の創業者兼CEOのアンティ・ダニレフスキー(Anti Danilevski)氏は述べる。

「今年9月1日より、ロシア中央銀行は一つのみならず三つの実験を行うことができるようになる。対外貿易の決済に暗号資産を使用すること、暗号資産建てで取引所における取引を行うこと、NPSに基づく暗号資産を用いた運用のための電子プラットフォームを構築することである」とリアノーボスチは別途、報じている。

|翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Russia Legalizes Crypto Mining and Brings an Experimental Regime