「Docker Desktop 4.33」が公開 ~Docker Debug、Docker Build checksが正式機能に

AI要約

米Dockerは7月29日にDocker Desktop 4.33をリリースし、Docker DebugとDocker Build Checksを正式公開、Configuration integrity checkも強化。

新機能のDocker Debugはデバッグシェルを含み、コンテナ内でアプリのトラブルシューティングが容易に、Docker Build ChecksはDockerfileのベストプラクティスを検査し、品質を保証。

また、Configuration integrity check 2.0ではmacOSでの整合性チェックが改善され、警告は控えめに、修復コマンドも利用可能に。

「Docker Desktop 4.33」が公開 ~Docker Debug、Docker Build checksが正式機能に

 米Dockerは7月29日(現地時間)、「Docker Desktop 4.33」をリリースした。「Docker Debug」と「Docker Build Checks」が一般公開(GA)されたほか、「Configuration integrity check」が強化されている。

■ Docker Debug

 最近のスリムコンテナーには「ping」や「vim」といった基本的なツールすらなく、コンテナー内でアプリをデバッグするのが難しかった。そこで「Docker Desktop 4.27」でベータ版として導入されたのが、「Docker Debug」だ。

 「Docker Debug」にはデバッグに必須のツールを備えた堅牢なデバッグシェルが含まれており、もしコンテナーにシェルが含まれていなくても、「Docker Debug」で一時的にアタッチすることで、コンテナーイメージを変更することなくトラブルシューティングが行えるようになる。組み込みの「NixOS」パッケージマネージャーを用いて追加のツールをインストールし、デバッグ環境をカスタマイズすることも可能だ。

 「Docker Debug」は今回のアップデートから正式機能として利用可能。Pro、TeamsおよびBusinessライセンスをもつすべての「Docker」ユーザーが利用できる。

■ Docker Build checks

 「Docker Build checks」は、「BuildKit」を強化して「Dockerfile」がベストプラクティスに準拠しているかを検査できるようにしたもの。。非効率なビルド、ビルド時間の増加、潜在的なセキュリティ脆弱性につながる複雑なマルチステージビルドなど、コンテナーをビルドするうえで問題となりうる項目をチェックし、その品質を保証する。

■ Configuration integrity check 2.0

 「Configuration integrity check」の最新リリースでは、macOSで設定の整合性をチェックするユーザーエクスペリエンスが改善。警告は控えめになり、通知センターにアラートとして表示されるようになった。アラートには修復コマンドはもちろん、詳細を確認するコマンドもあり、問題の詳細をその場でチェックできる。整合性の修復が何度も実行される問題も解決されており、使い勝手が大きく改善されている。

 「Docker Desktop」は、コンテナー仮想化プラットフォーム「Docker」をデスクトップ環境で手軽に使えるようにしたGUIフロントエンド。Windows/Mac/Linuxに対応しており、同社のWebサイトからダウンロードできる。

 ただし、無償で利用できるのは中小企業(従業員数250人未満、年間収益1,000万ドル未満)、個人使用、教育目的、非商用のオープンソースプロジェクトのみ。それ以外の用途では、有料サブスクリプションが必要となる。