「エアコンの室外機からゴキブリなどの害虫が侵入する」って本当ですか? 【家電のプロが回答】

AI要約

エアコンを通して害虫が侵入する可能性があるが、主な原因はエアコンスリーブの隙間や排水ダクトからの侵入だ。

隙間ができた場合はDIY修復が可能であり、排水ダクトに防虫キャップを取り付けることで対処できる。

ただし、防虫キャップには排水ホースの詰まりが起こる恐れがあるため、定期的なメンテナンスも必要だ。

「エアコンの室外機からゴキブリなどの害虫が侵入する」って本当ですか? 【家電のプロが回答】

厳しい暑さが続く季節、大活躍する家電といえばエアコン。しかし、そんなエアコンを通って害虫が侵入してくるといううわさがあります。本当なのでしょうか。

「All About」ガイドで、白物家電やデジタルガジェットに詳しく、企業のPR戦略やPR支援も行うコヤマタカヒロが回答します。

(今回の質問)

エアコンの室外機から、ゴキブリなどの害虫が部屋に侵入することがあると聞きました。本当ですか?

(回答)

エアコンスリーブの隙間や排水ダクトから虫が入ることは考えられます。防虫カバーを付けましょう。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

エアコンには室内機と室外機があり、これらがエアコンスリーブと呼ばれる穴を通して繋がっています。室外機と室内機の間は冷媒と呼ばれるガスが行き来するだけなので、室外機を通って室内に虫や小動物が入ることはありません。

ただし、これ以外にエアコンを通って室内に虫などが入るルートが大きく分けて2つあります。1つはエアコンスリーブにできた隙間。通常はパテなど粘度状のもので埋めますが、経年劣化による隙間が開くことがあります。一般的にパテの寿命は5年から7年と言われているため、虫の侵入などがある場合は、パテのすき間をチェックしましょう。隙間がある場合はDIYでの修復も可能です。

もう1つの侵入ルートが排水ダクト。室内機では熱交換器を冷やして、冷風を作り出すため、結露が発生します。この水分を屋外に排出するのが排水ダクトです。この排水ダクトは室内機と直接繋がっているため、虫が侵入することがあります。

近隣に飲食店があったり、川や池、森が近いなど、虫が発生しやすい環境にある場合は、排水ホースに防虫キャップをつけておきましょう。エアコンの取り付け時に注文することもできますが、数百円から購入できるため、自分で取り付けることも可能です。

ただし、防虫キャップにも欠点があります。それは、フィルターについたホコリを外部に排出するタイプのエアコンとの相性が悪く、ホースが詰まってしまう可能性があること。定期的にキャップを外して、詰まっていないかチェックして置きましょう。

また、排水ホースが長く地面に付着していると虫などが入りやすくなります。虫が入り込みやすい場合は排水ホースの先の位置を確認して、浮くように調整してみましょう。

この記事の筆者:コヤマ タカヒロ

1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。